大阪府八尾市恩智中町に鎮座される「恩智(おんち)神社」。式内社で、河内国二宮。御祭神は、『大御食津彦命(おおみけつひこのみこと)、大御食津姫命(おおみけつひめのみこと)』。
『大御食津彦命』は『天児屋根命』の後裔。『大御食津姫命』は伊勢神宮外宮に祀られる『豊受姫大神』の別名であるとされ、王子造りの本殿二棟にはそれぞれの祭神が祀られています。
由緒「創建は大和時代の雄略年間(470年頃)と伝えられる。奈良時代に藤原氏により再建されてより、藤原氏の祖神である『天児屋根命』を常陸国「現香取神宮」より御分霊を奉還し、摂社として社を建立。「恩智大明神縁起」では、神功皇后:三韓征伐の際に住吉神・恩智神が現れて皇后を守護したので、恩智神は高安の七郷を賜ったとする。現鎮座地に遷座するまでは西方の天王の森に鎮座したというが、同地は弥生時代中期を中心とする遺跡(恩智遺跡)として知られ、恩智神社の創祀との関連性が指摘される。」
本殿前の左右より神域を守護されるのは、とっても穏やかで優しい表情の狛犬さん一対。平ぺったい頭とたれ目っぽい顔が、漫画の主人公の誰かに似ている気がするのですが・・思い出せません(笑)
拝殿前に鎮座する「神兎」と「神龍」。
「神卯(うさぎ)」は神様の道案内をしたと云われており、神様を安全にお導きするということから交通安全や旅行安全、良縁など様々な案内、お導きのご利益があるとされます。
縁結びの「神縁兎(しんえんうさぎ)」。彦神・姫神の「神兎」が良縁を執り持ちます。
「神辰(りゅう)」は幸せな人生へのお導きのご利益を持っています。まずは本殿前の神龍にお参りし・・・
拝殿前の神龍が持つ「神璽(たま)」をなでて、昇運・開運・幸福を祈ります。
神社の開運絵馬も「神兎」と「神龍」。
摂社「春日神社」、藤原氏の祖神である『天児屋根命』が祀られています。常陸国「現香取神宮」より御分霊を奉還し社を建立。その後、宝亀年間に「枚岡神社」を経て奈良の「春日大社」に 祀られました。これにより当社は「元春日」とも呼ばれています。
「末社:祖霊社」。「橿原神宮遥拝所」
手水鉢に一対の吐水兎
境内入り口にある「閼伽(あか)井戸」。弘仁年間(810年頃)、弘法大師が当社に参詣した折、峡谷の岩底に錫杖を突き立てたところ霊水が湧き出したと伝わるもので、全国に数ある【弘法水伝説】 の一つとされます。天候を予知する清水として知られ、雨の降る前になると赤茶色の濁水が流れ出るそうです。
緩やかな石段の途中に見える屋根は、真言宗高野山普門院末寺「天川山:感応院」。国重要文化財の『十一面観音菩薩』を本尊とし、古くは恩智神社の神宮寺として神社の境内にありました。
帰路に改めて立ち寄った参道。こんもりと茂った木々の間に、拝殿に続く131段の石段が見えています。
石段の途中より参道を守護されるのは、大正期建立のライオン顔の狛犬さん一対。石段の数にしり込みする私を見て笑っているような・・「良いんです、どうせ軟弱ものです」(笑)
車参拝の為最後になってしまった一の鳥居。改めての拝礼で車に戻り帰路につきました。
参拝日:2015年10月10日
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御祭神一口メモ
『大御食津彦命(おおみけつひこのみこと)・大御食津姫命(おおみけつひめのみこと)』。食物に功徳のある神。女神。