美浜町野間冨具崎に鎮座される「富具(ふぐ) 神社」。御祭神は『志那津比古命(しなつひこのみこと)・志那津比賣命(しなつひめのみこと)』。日本書紀の神産みの項には「伊邪那美神が朝霧を吹き払った息から級長津彦命(しなつひこのみこと)という神が生まれ、これは風の神である」と記述されています。画像はありませんが境内由緒に「伊勢の海の鎮護の神様として風と潮流との災厄を軽少ならしめる様に念願してお祭りしたと伝えられている」とあります。
東参道入り口に建つ伊勢鳥居を潜りまっすぐに進むと、奉納石灯籠と長い石段参道が見えてきました。
その石段参道両脇より神域を守護されるのは、嘉永元年(1848)戊申5月吉日建立の出雲丹後系の狛犬さん一対。前足と後ろ足の間に綺麗に巻き込まれた尾がこの上なくお行儀良く、出自の良さを示しています。
真正面から見る鼻が・・・・・秀逸過ぎて疲れを忘れさせてくれます(笑)
「旧野間町( 現:愛知県知多郡美浜町野間)の総鎮守様、総氏神様。創建は不明ですが、現存する棟札に、「奉造立風宮大明神御社一宇永正年(西暦1509)巳巳」とあり、当時の村の城主である緒川氏が再建しました。毎年秋には、10月のふぐ漁解禁を前に、ふぐ供養が行われます。」愛知県公式観光ガイドより
社殿の画像が一切無いのは、長く続く石段参道の所為(^^;) 。とてもとても、あの石段を上る元気も脚力も、今はほんの欠片もありません(笑) 北参道からなら車で行けそうじゃないかと言われそうですが、入り口には鎖が張られており、こちらも徒歩での参拝用と思われます。そしてこの坂道を歩く・・以下同文(笑)
北参道入り口より神域を守護されるのは、天保3年(1832)壬辰5月建立の狛犬さん一対。故郷:岡山県の神社によく見かけるタイプなので、参道の石段同様、千石船で運ばれてきたのかもしれません。きりりと端正なお顔立ちが貴公子ぜんとして好きなタイプの一つです。
草むらから私たちを見上げる鮮やかな黄色
境内まで行かなかったので画像はこれだけ(^^;) ああそうそう、この神社に辿り着く手前でとても面白いものを見つけました。屋根の上に黒い小さな何かがいるのが見えるでしょうか?
全く動く気配が無いのでご亭主殿に進言し、車を停めてズームで確認したところ・・・何と鍾馗様が!!
神社の紹介画像が少ないので、穴埋め代わりに東参道の伊勢鳥居についての一言メモを。まず伊勢鳥居の特徴として「笠木」が五角形であること。またその端は斜めに切る「襷(たすき)落とし」という手法である事があげられます。単に鳥居と紹介しますが、ちょっと視点を変えると、また違った面白さに出会えるかもしれません(画像:二見ヶ浦の伊勢鳥居)
参拝日:2011年9月25日