ガイドさんの案内で建物内部へと入っていきます。事務棟の中を過ぎると、中央管理室があります。
ここから3か所の獄舎棟へつながっています。
写真に映っているのは真ん中の獄舎。上の部分には各門などの開閉が確認できるランプがあります。
獄内の様子をコントロールしていたこの部屋は、現在、囚人服や歴史了解パネルが展示される場所になっています。
こちらの制服は刑務官のもの。
こちらは囚人の作業服など。スカートもありますね。
当時使用された手錠、足枷など。
刑務官が使う道具等。
囚人たちが作っていたヤミタバコ。材料は、面会の差し入れに入っていたようです。
けっこう上手に作られています。
タバコができたら、次に必要なのは火。
サンダルの底にライターがはまるように掘ってあって、そこに入れて差し入れしたりしたようです。
こんな感じの、禁制の品物をなんとか獄内に持ち込んで、外の世界の楽しみの味わおうとしていた様子が想像されて、なかなか興味深いものがあります。
この中央管理室の上の部分には神様を祀ってある祭壇があります。
大正13年に運用開始されるとき、京都のあるお寺の住職さんが、観音様をここへ持ってこられて、ここで罪を悔い改める囚人たちを見守ってくださるようにと祈って安置。入獄する時には、囚人はここで観音様を拝んでから獄舎へと入ったそうです。
奥に見えるのは事務棟と入口の庭。こういう位置に祀られています。
不思議なのは、ここが2001年に完全に廃止される際、取り壊しも含めて検討されていたので、観音様にここを移動してもいいかどうか、台湾式に「神杯(バーボェ)」で尋ねたそうです。すると、何度やっても結果は、ここを動かないというお告げ。ということで、誰もいなくなった監獄にずっとお祀りしたまま、毎日朝晩、職員がここにきて灯明を灯し、お線香をあげていたそうです。ちょうどこの下に香炉があって、今でも朝晩線香を上げています。日本からやってこられた観音様が、台湾で長い年月を過ごされて台湾式に変化されていったというのも不思議なものです。でも、こういう人々の悲哀の念が凝縮された場所には、神様の加護も力も必要なのでしょう。
では、獄舎へと入っていきましょう。
「嘉義 獄政博物館」(嘉義旧監獄)
住所:嘉義市維新路140號
電話:05-362-1873
一般参観解放時間:09:30、10:30、13:30、14:30の1日4回。
★毎週月曜日、國定休日、そのほか臨時に休館することもあるので、事前に電話で確認。
★20名以上での団体参観は別途予約が必要。
URL:http://prisonmuseum.moj.gov.tw/mp.asp?mp=1