2010年最後の日曜日の夕方、前駐日大使夫人にお誘いを受けたマダムHが、私とNさん、Kさんも誘ってくださって、台中の西北の大坑にある劉太太のお宅で開かれた「冬至の湯圓の食事会」へ行ってきました。
この日は、日中はお日様も出て、日なたは暖かく気持ちいい小春日和でしたが、夕方になり、お日様が沈むと、10度以下。そんな寒い日、劉太太の手作りの「麻油鶏」と「鹹湯圓」が、胃袋から体全体を暖めてくれました。
「麻油鶏」(マーヨーゲー:台湾語)
ごま油と米酒、ひねしょうが、鶏肉で作った滋養鍋。劉太太のものは、とうもろこしが入っていて、味にやわらかさを出していました。
「鹹湯圓」の中身は、豚肉、干し蝦、j干ししいたけ、揚げたまねぎ等。香ばしく、深い旨みにはまり、8個も食べてしまいました。青菜は、春菊の1種で、「打婆菜」という名前のものです。なぜ、「妻を殴る菜っ葉」という怖い名前かというと、火を通すと、料がすごく減って、だんなさんが、「こんなにたくさんお金を出して買ってきた菜っ葉が、たったこれだけなのか!本当はなににお金を使ったんだ?」と言って妻を殴るからだそうです。一昔前ならほんとうにあったかもしれない話ですね。
写っていない場所にも、大勢のお客様がいらっしゃいます。食事の後は、スペイ音で活躍されている戴画伯のスペインやヨーロッパ、EUの過去と現在、そして、アジアのこれからなど、話が弾みました。
テーブルの上にも料理がいっぱい。
ホストの劉先生も、劉太太も、さりげなくもてなしてくださって、お客さん同士の話も次々と展開していきます。案外、知合いの知合いだったりして、世間は狭いという話も。
会話の中で、日本人から見た台湾の不思議や面白かった異文化体験の話を請われたので、食事に関する思い出を披露しました。
結婚して間もないころ、昼食を作り、食べていたら、夫の友人が近くに来たから、今から部屋に来るというのです。「聞いてないよ~」と思いながらも、5分でくるというので、あわてて、食べかけていた食事をすべて片付け、何ごともなかったように、出迎え、お茶をだしました。
夫の友人夫婦は、「食事しましたか?(吃飽了嗎?)」と聞くので、「ええ、もう済ませました。」と答えたのに、横で夫が、「今食べてたところだけど、君たちが来たから、妻が食べかけの食事を全部片付けたんだよ」と言いました。そうしたら、「ええ、そうなの?じゃあ、続けて食べてよ。」というではないですか。
そんな、お客様が来ているのに、食事できないでしょう、、、。
食事時に人の家を訪問すること自体驚きでしたが、食事していても気にしない習慣だったのですね。反対に、本来ならば、「一緒に食べませんか?」と聞くのが、正しい対処だったようで、冗談で、「君の日本人の妻は、ケチだねえ」と言われたのを覚えています。
この話を聞いたお客様達は、一様に笑いながら聞いておられましたが、日本人妻の反応に、そのときの夫の友人同様、案外驚いたようです。
今は、私も慣れたもので、一緒に食べませんか?とは聞かないものの、食事時にこられても動じることはなくなりました。もっとも、お見せできるようなものを食べていないので、食べていたものを隠し、お茶菓子にすり替えるという裏技を使います。
今年も台湾や日本、そのほか訪れた国で、いろいろなおいしいものをいただきましたが、どんなご馳走にもかなわないのが、母から子へと、何代にも渡って受け継がれた「おふくろの味」ではないでしょうか。この劉太太が、自分の母の母の母から伝えられたという「鹹湯圓」は、台湾の味、そのものであり、どんな豪華な料理よりも、「おいしい」と感じる料理でした。
1年の締めくくりに、こんなおいしい「鹹湯圓」をいただけて、素敵な人たちとおしゃべりできたことに感謝です。
本物の台湾の味、本当の台湾を紹介するため、2011年も、好奇心と行動力をフル活用し、調べて行きますね。
今年も「台湾台中おせっかい日記」を見に来てくださってありがとうございました。ブログを通して、多くの出会いや発見がありました。2011年も、引き続きよろしくお願いします。
新年快楽!兎年吉祥!