私が宿泊したときのホテルの宿泊費用には、1日5回の食事、館内の施設すべての使用、高鐡左営站までの往復送迎、エコツアー(1日1回、午前/午後から選択)がありました。季節ごとに内容を変えるそうですが、この時期は、「亀山の古跡と自然探検」「恒春の文化の旅」でした。
到着した初日に、1人で参加(家族は興味なし、、、(T_T))
ホテル専属のチーフガイドの黒皮(ハッピー)さんに案内してもらいました。
彼は、ここ恒春の地元生まれ育ち。両親は、父方が排湾(パイワン)族、母方が、魯凱(ルカイ)族と卑南(ベナン)族のハーフだそうで、3つの血統を持つそうです。小さい頃、祖父祖や両親から、この地の歴史、部族の歴史や風俗など、いろんな話を聞いて育ったので、私があれこれ質問しても、なんでもこたえてくれるすっごいガイドさんでした。植物生態にも詳しく、これらは、原住民として受け継がれた素晴らしい遺産ですね。
16:00 ホテル出発し、車で10分ほどの「亀山」へ。国立海生館の上のそば。
クジラの形をした建物のあるのが、国立海生館。
ここは入り江になっていて、1874年の牡丹社事件の際に、西郷従道(西郷隆盛の実弟)が、事件に関わった原住民を征伐するためにここから上陸。牡丹社事件は、別名征台の役(せいたいのえき)、台湾事件(たいわんじけん)とも言われます。私も以前から牡丹社事件に興味があったので、黒皮にあれこれ聞きました。黒皮曰く「牡丹社事件の話をさせたら三日三晩かかる」と言われたので、「10分くらいにダイジェストで話して」とお願い。その他に両親の父親(おじいちゃん)は、どちらも高砂兵として出兵したんだよ、と。その話でも10分。
日本側からしてみれば征伐ですが、当時の原住民が、なぜ遭難して上陸した宮古島の漁民を殺害することになったのか、その理由とか、それまでの原住民と外部からやってきた異国の人々とのかかわり合いなど、彼らが年寄りたちから伝え聞いてきたことを話してくれました。
要は、外部の世界を知らなくて、言葉が通じなかったため起きた不幸な事件。
向こうに見える山々で起きた牡丹社事件。たった130年前、そこで起きた凄惨な事件。今では何事もなかったような恒春の景色。
恒春縦谷平原は、台湾中央山脈の南端の麓、台湾海峡に面しています。果樹栽培が盛ん。
亀山には新石器時代の遺跡がいろいろ発見されています。台湾西側では最も古い人類の文化遺跡。
ちなみに台東の長浜遺跡は旧石器時代。
今でも、足元には、新石器時代に作られた焼き物のかけらや、人の手で細工された石のかけらなどはごろごろ。
植物の生態に関しても、いろいろなことを教えてくれました。
何の実でしょう、、、、食べられるのだったかどうだったか。
無患子の実。黒皮は、子供のころ、これをいっぱい集めて、泡を出して遊んだそうです。
いい香りのする葉っぱ。
他にも写真には無いのですが、「過山香」という山を越えて香ってくるから名づけられた植物もあり、(実際には、そんなに強い香じゃなかったですけど)彼らの昔からの香水だとか。虫よけハーブ(蛇避けとの説も)としても使えるそうです。
かわいらしい白い花をつけた植物。花がくるくると舞い落ちてきます。
かわいらしい木の実ですが、猛毒\(◎o◎)/!。
この亀山には、新石器時代の遺跡、豊富な植物生態の他に、もう一つ秘密が。
サンゴ礁が隆起してできた丘には、あちらこちらに日本が第二次世界大戦時に作った塹壕や基地として使われた空間が残っています。
ここの地質は、とても硬く、これだけのものを掘ったのは、すごいらしいです。
とくにロープや柵で囲ってないので、足元を注意して歩かないと、塹壕に落ちたりする危険性も。
1時間半ほどの散策でしたが、彼から聞いた台湾原住民の話は貴重なものでした。
こういうツアーはホテルオリジナルなので、外部からツアーのみの申込はできないのですが、墾丁のいくつかのホテルでは、このようなツアーをやっているところもありますので、機会があったら、ぜひ、参加してみてください。
永豊桟酒店墾丁
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