先日、埔里の町役場へ三重県菰野町のマコモダケ生産農家の方をご案内しました。以下は、その際、町長らと会議をしたときに聞いた埔里の農業関連のお話です。
埔里の名物は、「紹興酒」と「紙」と「台湾地理中心」。これは多くの人が知っている埔里のことですが、農産物でも有名なものがいくつかあります。その中でも、特に「マコモダケ(茭白筍)」は、台湾全土の90%の生産量で、一年を通して市場に出荷しています。他には、パッションフルーツ(百香果)も市場の60%にあたる産出量だそうです。バナナ、シイタケをはじめ、他の野菜も多く栽培され、盆地で、台風の影響を受けにくい土地柄、夏場の台風発生時の台湾全土の野菜不足の際には、埔里の野菜が市場の救世主になるとも言われています。
菰野町の「菰野の会」の前川会長は、ご自分の会社で伊賀で生産されるマコモダケを使って、いろいろな商品を販売されています。
今回は、マコモダケ入りの半生麺を町長にプレゼント。埔里では、まだマコモダケを使った加工品が少ないので、参考になるととても喜んでおられました。私の、その後いただいたので、自宅で食べましたが、むっちりとした歯触りの麺で、とてもおいしかったです。伊勢神宮にも献上された麺でございます。
㈱スズガミネ
さて話を農業王国の埔里に戻します。埔里は85000人の人口。35000世帯があり、そののうち、3000世帯がマコモダケ栽培に係っているので、マコモダケは埔里の人にとっても、特に思い入れの強い農業作物になります。
国道6号線のインターのほど近い場所に、マコモダケの一大産地があり、町役場での会議の後、埔里農協の何総幹事長の案内で、見学に行ってきました。
マコモダケと聞くと、タケノコと思われる方も多いです。実際見た目も筍みたいですが、イネ科の植物なんです。
マコモの基礎知識
皮を剥いて使います。一般的には、茹でで食べるのが多いです。
黙って出されて食べたら、タケノコだと思うでしょう。でもタケノコより繊維が柔らかく、えぐみが少なく、独特の甘みがあります。
塩ゆででもいいし、台湾のマヨネーズ(台湾におられる方はご存知だと思いますが、酸っぱくなくて甘いアレです)や醤油膏(甘みのある醤油でとろみがあり、水餃子を食べるときなどにつけるもの)もおすすめです。
埔里でもマコモダケを使った加工品を作っていますが、今の所は薄い輪切りにして乾燥させたチップスのみ。
わさび味、カレー味、塩コショウ。100元/一袋
参加者みんなで試食会。飲み物は、もちろん日月潭紅茶(アッサム紅茶)です。
マコモダケは採りたてだと、生で食べてもおいしいそうで、みなさんも生のマコモダケから食べ始めました。
前川会長が、生のマコモダケを食べている場面を、南投テレビが取材しています。
近所の農家では、収穫したマコモダケを出荷用に剥いたり、形をそろえて袋詰め作業しています。
水がおいしく豊富な埔里だからできる大量の水を使った栽培と洗浄。
ここでも取材を受けます。
私自身も、普段は、こういう農家にお邪魔することが無いので、見るもの聞くもの、初めてのものも多く、とても勉強になりました。
台湾に来たばかりのころは、この野菜の存在も知らなかったし、その後、食べる機会はあっても、自分で市場で買って調理するようなこともありませんでした。今回、お仕事で、いろいろなマコモダケの料理をいただいたので、これからは、たぶん自分でも作って食べるでしょう。だって、低カロリー、高繊維、そしておいしい素材です、ただ、台湾のお野菜の中では高級食材なので、時期によっては、けっこう高いです。(この時期も生産量が少ない時期なので、市場価格が高かったです。普通のスーパーでは、5本で100~200元くらい。安い時期には10元/1本くらいです)
次は、マコモダケ(美人腿)のコンテストのお話です。