台湾の人に、「彌留」というレストランで食事しましょう、と誘うと、「えっ、なんて名前?」と不思議そうな顔をされます。日本人なので、中国語を間違って行っているのではないかとか、何度も聞き返されます。
なぜかというと、「彌留」とうのは、まさに死の少し前の一時のことだからです。
日本語に訳すと「臨終」にあたる言葉。本来「(生命の)終わりに臨む」という意味でしょうが、現代では、「ご臨終です=亡くなった」の意味ですね。死出の旅路に出発したばかりの、なんとも言えない、新しい世界への一歩。体験した人の話を聞くことは稀ですが、本当はどんなものなんでしょう。それは、いつか、きっとわかることですが、、。
と、話がそれてしまいましたが、今日、紹介するのは、台中市の市民広場に面した場所にあるベジタリアンレストラン、アートギャラリー、イベント会場の「彌留 Me:Liu」。
台中で生活していると、このあたりを通る機会も多いのでしょうが、なぜか、この店の存在を気にしたこともありません。私自身、となりのマンションへは、何度も行ったのに。実際、このお店の住所でGOOGLEで探すと、そのマンションがでてきます。
このお店のことを知ったのは、いつもの4人の食事会の時。
Mさんの紹介で、その日の食事会場に指定され行ってみました。
店は目の前にあるのに、「どこ?」と迷う不思議な体験。
白い大きなドアを開けて中に入って見ると、、
「レストランじゃないの?」と店を間違ったかと焦り、、、
なぜか大きな版画をする機械が。
そこにお店のスタッフがやってきて、「1階は、アートギャラリーで、版画の製作などをしています」とのこと。
2階に上がってみると、階段の右側に、ガラス張りのオープンキッチン。
左側がレストランスペース。
通路側には、香油やクリームなども売っていました。
ナチュラル系のボディケア商品がメイン。
レストランエリアの真中に於かれたマネキン&服。
窓の外には、市民広場が見えます。
広場の喧騒がまったく聞こえてこない不思議な空間。
テーブルも椅子も、いろいろなデザインのものがあって、アンバランスなのに、なんとなく落ち着く配置。
私の席の椅子。お尻が痛そう~と思って坐ったけど、なんと、ここで4時間弱、おしゃべりしていました(笑)
席の後ろには、こんな感じでアート作品が並んでいます。
この日いただいたのは、食前酒「小米酒」
甘味がねっとり柔らかく思いけど、氷を入れて、少しずついただくと、とろんとした感覚で、お酒の弱い人でも飲めそうです。12度くらいあるのですが、たくさん飲むわけではないので、食前酒としておすすめ。
セット料理を頼みました。まずは、本日のサラダ。
リンゴの洛神花漬けとカッテージチーズ。
リゾットコースのメインプレート。ベジタリアン料理です。
これは麺料理のメインプレート。台湾のベジタリアン料理に欠かせない「椿醤」がソースです。
この味は、日本には無いので、慣れないと驚きますが、不思議な生命力を感じる調味料です。
ひよこ豆のスープ。あっさりしているけれど、豆の濃厚な味がフォローしてきます。
デザートのチーズケーキ。キイウィが梅の花型にカットされていています。
ちょっと小さいのも物足りない気もしますが、セット料理にプラス50元で、飲み物をコーヒーに交換できます。
苦味もコクもけっこう強いコーヒー。一人に1つのコーヒーシュガーがついてくるので、それを全部中にいれ、混ぜないで、ゆっくり飲んでいきます。これが最終的には、デザートになりました。
メニューは壁にあります。
コーヒー(プチデザート付)は、160~170元。
オーガニックティー(プチデザート付)は130~150元。
今日頂いたセット料理、お米の方は250元。麺は230元。
お手洗いは3階。ここはイベント会場にもなります。(トップの写真)
階段を上がっていくと、目の前に、ものすごく小さい字でかかれた壁が出現します。
お手洗い。なかなかアートチックな場所です。
オーナー曰く、霊長類には3つの世界があるそうです。物質世界、精神世界、そして物質と精神の外にある自由世界。この店は、その3つ目の世界にあり、実験的アートギャラリー。
台湾にもいろいろなベジタリアン料理がありますけど、このお店のインパクトは、強烈でした。
ほんとここだけ異空間の穴が開いている様な、そんな場所。
もし市民広場に行かれることがあったら、立ち寄ってみてください。
お茶するだけもで価値はあります。
2014年7月ごろ閉店したようです。残念。
:「彌留 Me:Liu」
住所:台中市西区公正路99號
TEL:04-2305-3888
営業時間:11:00~20:30(金、土は22:00まで) 火曜日定休
FB:https://www.facebook.com/meliugallery/info