マクロ経済そして自然環境

経済的諸問題及び自然環境問題に感想、意見を書く事です。基本はどうしたら住みやすくなるかです。皆さんのご意見歓迎です。

浜田宏一氏 ”実質賃金下落で雇用が増える”・・・って???

2013-01-20 14:16:50 | 経済

ネット上に浜田宏一氏(内閣官房参与で現政権に一定影響力のある方でありますが)のインタビュウーが載っていました。言わずと知れた物価上昇目標主義者ですが其の一部は

 

 ”物価が上がっても国民の賃金はすぐには上がりません。インフレ率と失業の相関関係を示すフィリップス曲線(インフレ率が上昇すると失業率が下がることを示す)を見てもわかる通り、名目賃金には硬直性があるため、期待インフレ率が上がると、実質賃金は一時的に下がり、そのため雇用が増えるのです。こうした経路を経て、緩やかな物価上昇の中で実質所得の増加へとつながっていくのです。
 
 その意味では、雇用されている人々が、実質賃金の面では少しずつ我慢し、失業者を減らして、それが生産のパイを増やす。それが安定的な景気回復につながり、国民生活が全体的に豊かになるというのが、リフレ政策と言えます。

 よく「名目賃金が上がらないとダメ」と言われますが、名目賃金はむしろ上がらないほうがいい。名目賃金が上がると企業収益が増えず、雇用が増えなくなるからです。それだとインフレ政策の意味がなくなってしまい、むしろこれ以上物価が上昇しないよう、止める必要が出て来る。こうしたことは、あまり理解されていないように思います。”  

 

 

 と言っていますが、ここでの疑問は上段の”実質賃金が下がれば雇用が増える”という部分ですが、これは下段の”名目賃金が上がると企業収益が増えず雇用が増えなくなる”と言う部分と同じですがここで簡単的に言えることはマクロの基礎ですが賃金は市場に出ればそれは個人消費になるわけであり、当然賃上げがあったほうがマクロ的需要に繋がり成長に繋がると思えるわけでありますが、逆に企業収益が増えたからと言ってもそれで雇用が増えるわけではない。それはこの間の大企業内部留保がここ10年間でも増大しているにも拘らず(172兆円→260兆円)でそれが雇用の増加に繋がっているわけでは無く、完全失業率も高止まり(4~5%)であり、浜田氏言うように景気回復にも現実なっていないわけであり、この辺から考えれば其の処方箋では日本経済を本格的回復起動に乗せるのは難しいでありましょう。と言うよりもこの間民間賃金は下がりっぱなしであり、(平均賃金302千円→296千円:賃金構造基本統計調査)、実際にそれがやられれば賃上げ無しの物価上昇、更にはご本人も言っておられるように長期金利の上昇、国債下落の事態になる事も現実的になるでありましょう。まして最悪のハイパーインフレにでもなったらどの様に責任を取られるつもりでありましょうか?

 

 

 

参考:民間給与実態調査 p14http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2011/pdf/001.pdf

 

 

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