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額田王めぐる争い大和三山/毎日新聞「かるたで知るなら」第22回

2021年09月17日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は同会が制作した「奈良まほろばかるた」の各札を題材に毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。今週(2021.9.16)掲載されたのは、「大和三山と歴史体感/甘樫丘展望台(明日香村)」、執筆されたのは北葛城郡広陵町にお住まいの箕輪成記さんだ。箕輪さんは『奈良万葉の旅百首』(京阪奈情報教育出版)にも、寄稿されている。では記事全文を紹介する。

〈額田王めぐる争い大和三山〉
わが国最初の本格的な都城(とじょう)「藤原京」を守ると考えられた大和三山(やまとさんざん)は古くから神聖視され、大和の名勝として多くの人々に親しまれてきました。詠まれた和歌も多く、万葉集では中大兄皇子(なかのおおえのおうじ)(後の天智(てんじ)天皇)が詠んだ歌「香具山(かぐやま)は畝火(うねび)ををしと耳梨(みみなし)と相争ひき神代(かみよ)よりかくにあるらし古も然にあれこそうつせみも妻を争ふらしき(巻1-13)」が特に有名です。

「畝傍山(うねびやま)を巡り香具山と耳成山(みみなしやま)が争った。神話の昔からそうだったからこそ、現実の世界でも愛する人を争うらしい」と訳されるこの歌は、中大兄の弟の大海人皇子(おおあまのおうじ)(後の天武天皇)との額田王(ぬかたのおおきみ)を巡る関係を詠んだものだとも言われています。

藤原京を東方から見守ることから春山(はるやま)とも呼ばれる天(あまの)香具山。天から降ってきたとの神話や歴代天皇が豊穣(ほうじょう)を予祝(よしゅく)した国見(くにみ)儀礼から唯一「天」を冠されています。西方の畝傍山は、瑞山(みづやま)とも呼ばれ、山麓(さんろく)の橿原神宮や神武天皇陵の森が、みずみずしい雰囲気をたたえています。北方の耳成山は、青菅山(あをすがやま)とも呼ばれ、円すい形の山容は神々しくそびえ立っています。

山々を一望するには、古都飛鳥の甘樫丘(あまかしのおか)がお薦めです。展望台からは大和三山の美しい姿だけでなく、飛鳥・藤原時代からの悠久の歴史を体感できます。また、その歴史の記憶こそが未来の宝となってゆくのです。大和三山は現在、世界遺産登録を目指す「飛鳥・藤原の宮都(きゅうと)とその関連資産群」の20ある構成資産候補の一つであり、県内4件目の世界遺産の期待が高まっています。(奈良まほろばソムリエの会会員 箕輪成記)

【甘樫丘展望台】
(住所 )明日香村豊浦
(交 通)近鉄橿原神宮前駅からバス「甘樫丘」下車、徒歩約15分
(駐車場)有(無料)


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