tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

スリルを味わう谷瀬(たにぜ)の吊り橋/毎日新聞「かるたで知るなら」第44回

2022年03月20日 | かるたで知るなら(毎日新聞)
NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は同会が制作した「奈良まほろばかるた」の各札を題材に毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「かるたで知るなら」を連載している。先週(2022.3.17)掲載されたのは〈暮らし支え土木遺産/谷瀬の吊り橋(十津川村)〉、執筆されたのは、奈良市在住で、奈良まほろばソムリエの会では広報グループに所属の磯兼史洋(いそかね・ふみひろ)さんだった。

今回の札も当初の札ではなく、この連載のため、なかじまゆたかさんに描き下ろしていただいたものだ。面白い描き方で、川原でキャンプしている子どもたちの絵も入れていただいた。では、記事全文を紹介する。

〈スリルを味わう谷瀬の吊り橋〉
県の最南端に位置する十津川村。豊かな自然あふれる村に「谷瀬(たにぜ)の吊り橋」はあります。長さ297㍍、高さ54㍍。生活用の吊り橋としては日本一の長さを誇ります。同村観光協会によると、造られたのは60年以上前の1954(昭和29)年。

それまでは川に丸木橋を架けていましたが、洪水のたびに流されるため、地元の人が1戸当たり20万~30万円を出し合い完成させました。まさに生活のための橋です。

当初、村人だけが利用していましたが、次第に世間の注目を集め、今では十津川村を代表する観光地になりました。それは、渡ること自体を楽しめる、スリル満点の橋だからです。入り口には「一度に20人以上はわたれません」という注意書き。一歩踏み出すと、橋は途端に揺れ始め、床板がギシギシと音を立てます。歩く人が多いと、揺れ方が不規則になり、思うようにバランスを保てません。

足元から、はるか下の十津川が丸見えで、思わず足がすくみます。普段の生活では味わうことのできない体験です。2021年には土木学会選奨土木遺産に認定されました。対岸の谷瀬地区には「ゆっくり散歩道」が整備され、展望台まで進めば、吊り橋を一望することができます。

南朝の史跡「黒木御所跡」も見逃せません。後醍醐天皇の皇子・大塔宮護良(おおとうのみやもりよし)親王がこの地に逃れた際、かくまわれたとされる仮宮殿(かりきゅうでん)跡です。ぜひ橋に足を運んで、ドキドキ感と絶景を満喫してください。きっと非日常の素敵(すてき)な思い出を残してくれると思います。(奈良まほろばソムリエの会会員 礒兼史洋)

【谷瀬の吊り橋】
(住 所)十津川村上野地65の2
(交 通)近鉄大和八木駅、JR五条駅からバス「上野地」下車すぐ▽黒木御所跡は上野地から橋を渡った対岸の谷瀬地区
(渡橋料金)無料
(駐車場)有料
(電 話)0746・63・0200


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 田中利典師の『体を使って心... | トップ | 田原総一朗著『堂々と老いる... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

かるたで知るなら(毎日新聞)」カテゴリの最新記事