tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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もみない・もむない(不味い=関西方言)の語源

2020年04月07日 | 奈良にこだわる
奈良県や和歌山県でよく使われる方言に「もみない」「もむない」がある。『デジタル大辞泉』で「もむない」を引くと「(関西地方で)うまくない。味がよくない。まずい。もみない」。
※トップ画像は「がくげいイラスト素材集」より

『日本方言大辞典』によると、奈良・和歌山だけでなく、京都府、大阪府、兵庫県、島根県(石見地方)、広島県(山県郡)でも使われるそうだ。では、この「もみ」とは何か。答えは『日本書紀』にある。応神天皇19年冬11月、「国栖舞(翁の舞)」が奏上された。Wikipedia「国栖奏」によると、

国栖奏(くずそう)とは奈良県吉野郡吉野町南国栖の浄見原神社(きよみはらじんじゃ)で、毎年旧暦1月14日に奉納される歌舞である。今日では国栖奏という呼称が定着しているが、従来は「国栖舞」または単に「翁の舞」と呼ばれ伝えられてきたもので、「国栖奏」とは大嘗祭や諸節会などでの、宮廷儀礼として奏上の折の称である。奈良県指定無形民俗文化財。

宮廷への国栖奏の奏上は『日本書紀』によれば応神天皇19年冬11月の吉野行幸の際に国栖(国樔・くず)の人たちが醴酒(れいしゅ・こさけ=一夜酒)と土毛(どもう・くにつもの=地場産品)を献じて歌舞を奏じたのが始まりとされる。

旧正月14日当日、午前11時すぎに翁を務める人たちが神社に集まる。神前に供えられるのは山菓(栗)、醴酒(一夜酒)、腹赤の魚(ウグイ)、土毛(この場合は根芹)、毛瀰(もみ=ヤマアカガエル)の五品である。アカガエルも昔は食用で、この地方の最高の珍味として献上されたのだといい、国栖では今でも赤いカエルを「モミ」、ヤマアカガエルを「モミガエル」と呼ぶ。


毛瀰(もみ)はとても美味しいそうだ。これがあると「もみあるもの」(美味しいもの)といわれた。逆にこれがないと「もみがない」(不味い)、ここから「もみない・もむない=不味い」という方言になった。

そんな話をご着任直前の毎日新聞奈良支局長の堀川剛護(たけもり)さんにしたところ、昨日の「支局長からの手紙」(毎日新聞奈良版2020.4.6付)に紹介してくださった。記事は以下に貼り付けておく。知れば知るほど、奈良はおもしろい!



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