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美栖紙の上窪良二さんが、旭日双光章!/2022年春の叙勲

2022年05月02日 | お知らせ
2022年4月29日(金)付の朝刊で、「春の叙勲」が発表された。南都銀行時代の先輩お2人が受章されていた。お1人はもと頭取で現在は特別顧問をお務めになる植野康夫さん(旭日中綬章)、もうお1人は手漉き和紙(美栖紙)をお作りになる上窪良二(うえくぼ・りょうじ)さん(旭日双光章)。おめでとうございます!

上窪さんは多忙な銀行勤務の傍ら、奥さんのご協力を得ながら、吉野町のご自宅兼工房(上窪和紙)で美栖紙を作ってこられた。詳しい記事が同日の毎日新聞奈良版に出ていたので、全文を紹介する。

春の叙勲 旭日双光章 夫婦作業、手抜きせず
表具用手漉和紙製作技術者 上窪良二さん(78)

文化財の表具の修復に使う手漉(す)き和紙「美栖紙(みすがみ)」を、吉野町南大野の実家兼工房で作る。「大変ありがたい。原料のコウゾなどの生産者、木枠などの用具の職人、文化財の修復に使ってくれる技術者に感謝したい。一緒に作業する家内にもお礼を言わないといけない」と喜ぶ。

吉野町窪垣内(くぼがいと)・南大野地区には、明治期に紙すきの工房が280件ほどあったが、今は5件に。実家も200年続く紙すき職人の家系で、幼い頃から両親を手伝った。働いていた銀行を定年後は一層修業に励んだ。先代の「信頼を得るには手抜きをしてはならない」との教えを守り、2009年に国選定保存技術保持者に、20年には県伝統工芸士に認定された。

16ある工程の中で、上窪さんはコウゾを灰汁(あく)で炊く「煮熟(しゃじゅく)」に特に労を割く。「自然木なので、皆アルカリ度数が違う。まきの火加減を調整し、コウゾをほぐしながら均等に煮るのが難しい」。紙すきを担う妻久子さん(71)とともに和紙を作り上げる。

18年には「国宝修理装潢師(そうこうし)連盟」(京都市)の紹介で大阪市出身の布谷晴香さん(27)を後継者に迎えた。上窪さんは「今後は健康で仕事を続けるのと、早く布谷さんを一人前に育てたい」と意気込んだ。【村瀬達男】


ご受章を知り、久しぶりに電話で上窪さんとお話しした。お声は現役時代と全く変わっておらず、お元気な様子だった。後継者の布谷さんを得て、張り切っている様子がうかがえた。私のことはNPO法人「奈良まほろばソムリエの会」に所属する他の先輩から聞かれ、よくご存じだった。上窪さんのことは、「奈良県伝統工芸士」に認定されたとき、当ブログでも紹介させていただいた。

県下各地にお住まいの諸先輩・同僚の活躍を耳にすると、心底嬉しくなる。上窪さん、奥さん、これからも伝統の技を後世にお伝えください!
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