NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は、毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「ディスカバー!奈良」を連載している。9月13日(木)に掲載されたのは「転害会の新調御神輿(おみこし)/奈良市の手向山(たむけやま)八幡宮」、執筆されたのは奈良市出身・在住の石田一雄さんである。石田さんは同会の理事も務めておられる。『国史大辞典』「手向山神社」(手向山八幡宮)によると、
※トップ写真は、転害門(奈良市雑司町406-1)前での舞楽奉納の様子
国家的大事業であった東大寺大仏鋳造が八幡神の神助を得て天平勝宝元年(749)10月に完成したので、宇佐八幡神を東大寺大仏の守護神として勧請。
神仏分離以前は、今東大寺八幡殿にある秘仏の僧形八幡神坐像(国宝)を御神体として奉安していた。鎌倉時代初期、快慶の彫刻で「東大寺八幡宮安置之 建仁元年(1201)十二月廿七日開眼」など長文の銘記がある。
例祭は10月5日で御田植祭は2月3日。当社祭礼の中心である碾磑会(てがいえ)は転害会・手掻会とも書く。天文8年(1539)までは勅祭であったが、以後は神社や郷民が中心になって行われるようになった。
かつて八幡神が宇佐から影向した神迎の模様を再現したもので、勅祭のころは宵宮に田楽や舞楽が催され、当日は畿内と伊賀の六ヵ国で殺生が禁断された。唐鞍一具(国宝)、木造舞楽面・錦貼神輿・神社宝庫・銅造太刀はじめその他重要文化財多数。
天皇の勅使(使者)が派遣されて執行される神社の祭祀を「勅祭(ちょくさい)」というが、転害会が勅祭だったとは驚いた。では最後に、石田さんの記事全文を紹介する。

新調された御神輿
10月5日に奈良市の手向山(たむけやま)八幡宮で例祭「転害会(てがいえ)」が催されます。当社は聖武天皇が大仏建立の際に、東大寺の鎮守として大分県の宇佐八幡宮から八幡大神を勧請し創建されました。その際に転害門を通って境内に入り鎮座したという故事にちなんで催されるのが転害会です。門の上にしめ縄が掛けられているのは神聖な門の印です。
転害門は、東大寺創建当時から唯一残る奈良時代の門で国宝です。本殿での神事の後、御旅所である転害門の上に御神輿が据えられ、神事や舞楽の奉納が行われますが、御神輿(おみこし)が重要文化財に指定されたため、昨年まで仮の御神輿が使われていました。
昨年11月、文化財のものを精巧に模した御神輿が新調され、今年から使用されます。この機会に、50年ほど前から途絶えていた本殿から転害門までのお渡りの復活も予定されています。
■メモ 本殿へはバス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車、徒歩約15分。転害門へは近鉄奈良駅から徒歩約18分(奈良まほろばソムリエの会理事 石田一雄)。
※トップ写真は、転害門(奈良市雑司町406-1)前での舞楽奉納の様子
国家的大事業であった東大寺大仏鋳造が八幡神の神助を得て天平勝宝元年(749)10月に完成したので、宇佐八幡神を東大寺大仏の守護神として勧請。
神仏分離以前は、今東大寺八幡殿にある秘仏の僧形八幡神坐像(国宝)を御神体として奉安していた。鎌倉時代初期、快慶の彫刻で「東大寺八幡宮安置之 建仁元年(1201)十二月廿七日開眼」など長文の銘記がある。
例祭は10月5日で御田植祭は2月3日。当社祭礼の中心である碾磑会(てがいえ)は転害会・手掻会とも書く。天文8年(1539)までは勅祭であったが、以後は神社や郷民が中心になって行われるようになった。
かつて八幡神が宇佐から影向した神迎の模様を再現したもので、勅祭のころは宵宮に田楽や舞楽が催され、当日は畿内と伊賀の六ヵ国で殺生が禁断された。唐鞍一具(国宝)、木造舞楽面・錦貼神輿・神社宝庫・銅造太刀はじめその他重要文化財多数。
天皇の勅使(使者)が派遣されて執行される神社の祭祀を「勅祭(ちょくさい)」というが、転害会が勅祭だったとは驚いた。では最後に、石田さんの記事全文を紹介する。

新調された御神輿
10月5日に奈良市の手向山(たむけやま)八幡宮で例祭「転害会(てがいえ)」が催されます。当社は聖武天皇が大仏建立の際に、東大寺の鎮守として大分県の宇佐八幡宮から八幡大神を勧請し創建されました。その際に転害門を通って境内に入り鎮座したという故事にちなんで催されるのが転害会です。門の上にしめ縄が掛けられているのは神聖な門の印です。
転害門は、東大寺創建当時から唯一残る奈良時代の門で国宝です。本殿での神事の後、御旅所である転害門の上に御神輿が据えられ、神事や舞楽の奉納が行われますが、御神輿(おみこし)が重要文化財に指定されたため、昨年まで仮の御神輿が使われていました。
昨年11月、文化財のものを精巧に模した御神輿が新調され、今年から使用されます。この機会に、50年ほど前から途絶えていた本殿から転害門までのお渡りの復活も予定されています。
■メモ 本殿へはバス「東大寺大仏殿・春日大社前」下車、徒歩約15分。転害門へは近鉄奈良駅から徒歩約18分(奈良まほろばソムリエの会理事 石田一雄)。
