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水徒然2

主に、水に関する記事・感想を紹介します。
水が流れるままに自然科学的な眼で解析・コメントして交流できたらと思います。

再生可能なエネルギーに係る記載(その26:水力発電に再び脚光、小水力発電の現状)

2013-11-25 | 再生可能エネルギー・省エネ関連

’13-11-25投稿

 既報歴代首相の脱原発発言を収集してその骨子を整理しました。【追加】での引例(小泉発言)のように、「最終処分場を造れなかったのは住民の反対(があったから)だ。こんなことに莫大(ばくだい)な資金とエネルギーを使うなら、国民が協力できるような、自然を資源にしたさまざまなエネルギーのために使った方がいい、というのが私の主張だ。大きな岐路だ。

 原発ゼロの方針を出せば、必ずある人が良い案を作ってくれる。内閣に原発ゼロに賛同する識者を集め、専門家の知恵を借りて結論を尊重して進める」ことを期待していますが、

 問題点として、「再生(可能)エネルギーの比率を上げ、原発比率を落とすという方向性において小泉元首相と違うところはない原発ゼロに至るまでの時間や手法、費用の捻出先などの具体論がなければ、単なるスローガンに過ぎない」との見解もあり、

 現状、既報 再生可能なエネルギーに係る記載(その25:日本とドイツのエネルギー関係データの比較)(2013-10-31)によれば、

再生可能エネルギーの割合は、
日本1.6% ?
VS ドイツ20.3%

技術的には、劣っていない?と思われるのに、はかばかしくない普及率から、当面、再生エネには頼れない現状。

 個人的には、「塵も積もれば山となる」ことを期して、再生エネの普及に対して、再生可能エネルギーによる発電量がどのように、現状の1.6%からどのくらい増加推移しているか掲示板、等での「見える化」によって国民がわかるようなシステムがほしいところです。  

 既報今までの「再生可能なエネルギーに係る投稿」の整理('11-5-21~'12-2-29)に記載しましたように、
 10数年前、技術的に優位に立っていたわが国の再生可能なエネルギー技術は量産化技術の立ち遅れ、恵まれない気象条件、島国のためヨーロッパなどと比べて電力の融通性に欠けること、原子力関連への偏重予算に加えて、大手電力会社になどによる発電事業者への電力買取拒否などから、および、ドイツ、中国などに後塵を浴びている現状から、再生可能なエネルギーの進展に係る積極的な政策誘導的な支援の成果すら見えません。                              

 なぜそのようになったのか?を議論して、結論を出して、ドイツのように着実に普及させて、挽回することが必要と思われます。

ドレスデン情報ファイル
http://www3.ocn.ne.jp/~elbe/kiso/atomdata04.html
ドイツのエネルギー関係データ

 電力に占める再生可能エネルギーの割合

 まえがきが長くなりましたが、

個人的には、丘陵を利用した小規模水力発電、排他的経済水域を利用した海上風車などは立地、気象条件さえ満たせば、政策補助、開発予算次第では分散型として有望か?
 分散型として最適な太陽光発電はコストが高すぎるので、部品の製造コストの低減および取り付けコストが安くなるシースルー、フレキシブルな薄膜タイプの画期的な開発推進が期待されます。

 水力発電に再び脚光、小水力発電の現状および問題点について調べました。

 解説/再生可能エネルギーの固定価格買取制度(6):
水力発電に再び脚光、工場や農地で「小水力発電」
(一部抽出しました。)
水力発電と聞くと山間にある大規模なダムを想像しがちで、これまでは環境破壊の代表のように考えられてきた。ところが固定価格買取制度の対象に入ったことをきっかけに、河川や工業・農業用水路などを活用した「小水力発電」が注目を集め、全国各地で小規模な設備の導入が進み始めた
[石田雅也,スマートジャパン]

本来であれば水力発電は化石燃料に依存しない再生可能エネルギーの代表格のはずだが、大規模なダム式や火力・原子力発電を必要とする揚水式が主流のため、再生可能エネルギーに分類されないことが多い(図1)。もともとは自然な水の流れを生かした発電方法であり、一定規模以下の発電設備であれば固定価格買取制度の対象として認められる。・・・

特に注目を集めているのが発電規模の小さい「小水力発電」と呼ばれるもので、通常は発電能力が200kW未満の場合を指す。この小水力発電のコストや効率性を太陽光発電と比較して

水の流れは安定、発電量も落ちない

 最新の太陽光パネルの発電能力は面積が1平方メートルあたりで150W程度である。仮に150kWの発電能力を実現するには、1000平方メートル分の太陽光パネルが必要になる計算だ。これに対して200kW以下の小水力発電に必要な水車の大きさは直径1メートル以下のものが多く、収容する建物も小規模で済む(図2)。・・・

発電設備の形態が違うので単純な比較はできないものの、太陽光発電よりも用地は小さくて十分だろう。特に河川に近くて水を大量に使う工場や農地に向いている。

では実際にかかる建設費や期待できる発電量はどうなのか。環境省が分析した結果では、1kWhの電力を作るコストは太陽光発電よりも低い(図3)。その最大の要因は天候による影響が小さいことにある。

 太陽光や風力の場合は、1kWの発電能力があっても、実際に得られる電力量は平均すると1割~2割程度まで落ちてしまう。これに対して小水力発電では水量や落差によって決まり、平均して7割程度の発電効率(設備利用率)を維持することができる。水の流れは雨の影響などはあるものの、太陽の日射量や風の強さほどには大きく変動しない。

 

発電効率が7割ならば10年で元をとれる

 最大の問題点は建設費と運転維持費の高さである。固定価格買取制度における見積もりでは、発電能力が200kW未満の小水力発電の場合、建設費は1kWあたり100万円で、太陽光発電の2倍以上になる。運転維持費も年間で7万5000円/kWと他の発電方法を大きく上回る(図4)。

 仮に100kWの小水力発電を実現させるとなると、建設費で1億円、運転維持費で毎年750万円かかる。もちろんこの費用を前提に買取価格が決められているため、他の発電方法と比べて決して不利ということはない。

 200kW未満の場合の買取価格は税引き後で34円/kWhに設定されている。発電効率が平均的な7割と想定すると、100kWの発電設備で年間に約60万kWhの電力を作り出すことができ、2000万円程度の収益を見込める。10年間で建設費と運転維持費を十分にカバーして元をとれる計算が成り立つ。

 あとは水量や落差によって決まる発電効率の高い場所を選ぶことである。もし発電効率が5割まで下がってしまうと、採算が合うまでに15年以上かかり、買取期間の20年のうちにコストを回収できないおそれもある。設備を導入する前に入念な設計が必要だ。

図4 発電方法別に定められた固定買取価格。出典:資源エネルギー庁

・・・」という。

参考情報:

» 2012年11月22日 11時00分 更新
日本列島エネルギー改造計画(16)長野:
小水力発電で全国トップ、市民参加型の太陽光発電所も拡大中

日本最長の信濃川が流れる長野県では水力発電が盛んで、中でも「小水力発電」の導入量は全国で第1位である。県内の電力需要の2割以上を満たし、大規模な水力発電と合わせると6割近くに達する。2020年までには太陽光発電も大幅に増やして自給率をほぼ100%に高める計画だ。[石田雅也,スマートジャパン]・・・
続きを読む>>

関連投稿:
土砂災害に係る記載(提案:洪水と渇水対策に中規模水力発電ダム増設を)
(2012-07-12)
 
別報の今までの「再生可能なエネルギーに係る投稿」の整理で記載した再生可能な発電(小規模水力発電)より規模の大きい、かつ、大規模ダム(設置位置;引用下図)より規模の小さいダム発電と治水を兼ねた一石二鳥の「中規模ダム」の建設が立地条件、経済性、生態系への影響には多少目をつぶっても望まれます。

⇒各所の各発電方式実績が現状の1.6%(16000ppm)に対して、何ppm増加させているのか?の見える化の積み重ねが重要かと思われます。

 


地球温暖化、寒冷化の行方は諸説紛々する中、やはり、歴史が証明することになるのだろうか?

2013-11-25 | 天変地異・異常気象関連

'13-11-20投稿、11-21追加、11-25追加

 既報太陽元気なし 寒冷化予兆 11年周期の磁場転換起きず、黒点も最少という。(2013-11-19)情報から今夏の猛暑を忘れ、晩秋ともなり、心なしか?急に肌寒さを意識する昨今の気候です。

 既報地球温暖化に係る記載(地球は温暖化中なのか?寒冷化中なのか?)によれば、地球温暖化が叫ばれる中、ロシア科学アカデミーから2014年から地球は小氷河期(ミニ・アイスエイジ)に入るという予測との関連は不詳ですが、

 古くから語られる所謂、太陽の黒点の増減など太陽活動の変動、超新星爆発などによる宇宙環境からの放射線、電磁波エネルギーの減少による影響のみならず、

 最近では、SPRINTARSの大気汚染粒子黄砂で予測される情報を含めて、
人工的なさまざまな所為を含めた大気圏、電磁圏におけるスペースデブリ、彗星・隕石由来の破砕微粒子、火山噴火灰などを含めた太陽光を反射・吸収する物質(有害ガスと微粒子がハイブリッド化したエアロゾル)の分布状態、および水の性状の異変によって、
 太陽光が大気中の吸収物質によって地上に届くエネルギーが減衰状態が大幅に変動していることが推察されます。


     (google画像検索から引用)

太陽活動(黒点数の増減)など天変が主因と想われますが、

 
(google画像検索から引用)

天変を加速するような人為的な所為・操作によって、地表に届く太陽エネルギーが減少していなければと杞憂しています。

個人的には、
 既報気候の寒暖に大気中の汚染粒子は関係するのか?と想って、大気エアロゾル粒子と寒冷化現象との対応について調べて、寒冷化現象に係る雑感をしたりしましたが、中国人ジャーナリストが唱える大気汚染粒子が慢性化して寒冷化するということが現実化すれば、住みにくい世の中になりますが、不可解な未曾有の局面に地球全体が遭遇しているのだろうか?と妄想しています。

参考:週プレ NEWS 2012-12ー05 
中国の大気汚染が3年以内に北半球を氷づけにする? /続きを読む

 すなわち、非常事態となる慢性化すれば、大気汚染微粒子(SPM:サブミリレベル、AM2.5:ミクロンからサブミクロンレベル)、および超微粒子(ナノレベルでいつまでも浮遊)の発生源、発生物質の解析、および発生メカニズムを究明して、対策を講じないと、長い眼で見たCO2、メタンなど温室効果ガス削減による地球温暖化防止、オゾン層破壊ガスなどをはるかに通り越して、近未来に球環境、ひいては生態系に悪影響を今まで以上に与える可能性は大きいと危惧しています。
参考投稿:
エアロゾルに係る記載を調べました。(その23:大気エアロゾル(微粒子)予測 )  
(2013-01-23)
 

 

既報その5:(火山灰の温室効果)
山噴火で甚大な被害を与えている「火山灰」の影響に係る引用によれば、

 

白のエアロゾルを火山灰のモデルと考えれば、巨大な火山が噴火した際の地球冷却化を説明できる。 一方、黒のエアロゾルを二酸化炭素のような熱を吸収するものと考えれば、地球温暖化を説明できる。・・・」と言われており、
続きを読む>>

 

 たとえば、PM2.5の場合は今のところ例年並みとも言われていますが、黄砂、PM2.5を含めて高さ3000m位までの存在状態を光学的な解析をベースに徹底的に粒子径、形状、複合性および高感度・高分解能の分析によって組成解析して、その結果に基いて、発生源の推定および対処方法などの推進を期待しています。

妄想はさておいて、

例年と比べて、気温の推移はどのようであったか調べてみました。

気温と雨量の統計今朝の最低気温」
一例として、東京都 の推移を見てみると、

東京の気候(気温、降水量)
詳しくは>>http://weather.time-j.net/Stations/JP/tokyo


現状、今年の11月ばらつきの範囲で特に例年との変化は観られないようです。

 

ちなみに、気象庁 観測開始からの毎月の値 1876年~2013年

詳しくは>>http://www.data.jma.go.jp/obd/stats/etrn/view/monthly_s3.php?prec_no=44&block_no=47662&year=&month=&day=&elm=monthly&view=a1

日平均気温 日最高気温 日最低気温

 平均風速 海面気圧 現地気圧

 相対湿度 蒸気圧 雲量

 日照率 全天日射量 日照時間 

降水量 降雪の深さ 

日平均気温 によれば、
 現状、現状ばらつきの範囲で推移しており、若干、近年、各月の温度が上昇している以外、特に歴年との差は観られないようです。

 ただ、個人的には今年のわが国のみならず世界各地の気候は寒暖差が大きいのでは?と思っています。

 今後、緯度、経度の違うその他の地域について調べれば、温暖化および寒冷化に係る正確な情報が得られると思われます。

 太陽活動の周期の影響に加えて、11年周期の磁場転換が異常なことが今後どのような気候を世界にもたらすのだろうか?

諸説紛々する中、やはり、歴史が証明することになるのだろうか?

 関連投稿:
氷河期繰り返す原因解明 10万年周期、氷で地盤が上下 するためという。
(2013-10-01)
 

msn 産経ニュース地震・津波・地球科学] 2013.9.30 09:50
http://sankei.jp.msn.com/science/news/130930/scn13093007330002-n1.htm

 過去100万年の間、陸地を覆う氷(氷床)が拡大した寒冷な氷河期が約10万年の周期で繰り返しているのは、氷床の重さで下の地盤がゆっくりと上下するためだと、阿部彩子東京大准教授らの研究チームが、氷床分布を計算するモデルを使って突き止めた

10万年周期の原因は、地球の公転軌道の変化などに伴う日射量の変化と関係があるとされてきたが、それだけでは説明できず、長年の謎だった。地球温暖化の予測にも役立つ成果という。・・・

 


電子基準点を使った地震予測で3.11直前と同じ異変 M7以上の南海トラフ地震の可能性があるという。

2013-11-25 | 地震・津波関連

'13-11-25投稿

 南海トラフ地震の可能性について、数多くの予測が発表されていますが、既報太平洋プレートの潜り込み加速 「新型地震」が迫っている!?という。2013-11-02)で記載しましたように、 最近の情報によると、太平洋プレートの潜り込みが加速しているという。

<世界のプレート>

                            E120°     E180°

 

 引用:

日刊現代

太平洋プレートの潜り込み加速 「新型地震」が迫っている!?

2013年10月31日 17:31 更新

http://gendai.net/news/view/112214

「・・・立命館大環太平洋文明研究センター・歴史都市防災研究所の高橋学教授はこう警告する。

3・11の地震で、アスペリティー(固着)が弱くなった分、太平洋プレートの潜り込みの速度が、これまでの年10センチから、年30~40センチに加速しています。そのため、今後も『アウターライズ型』が起き、津波が起こる可能性があります。04年のスマトラ島沖地震で、同型の地震が起きたのは8年後の12年でした。まだ、東北地方太平洋沖地震は終わってはいません」

高橋教授によれば、太平洋プレートの移動速度が上がったことで、隣接する北米プレート内の内陸直下型地震も増える可能性があるという。・・・」

  このような背景による摩擦熱の増加の影響か?プレートを舐めるように、先般の季節外れの異常な進路の大型台風が発生していたことから、近いうちにひょっとすると、大地震が発生するかも知れない?と杞憂していましたが、3.11並みのM8クラスの首都圏直下型、駿河湾沖、東海・東南海・南海における大地震の予測に対して、数十年にわたって警戒してきましたが、いまだ起こっていません。 

いずれ、時間がたてば、歴史的な宿命から発生するでしょうが、・・・。

 しかしながら、プレートの潜り込みの影響か?つい最近、小笠原諸島、火山噴火で新しい島が出現したということから、

 とにかく、世界のプレート周辺の動きは活発です。


小笠原諸島火山噴火で新しい島が出現 23.11.2013, 12:10

VOR ロシアの声 ‎-
日本の海上保安庁は東京から南に1000キロ離れた太平洋の小笠原諸島付近で火山噴火し、新しい陸地が出現したことを明らかにした。

 この現象は既報パキスタンはるか沖で地震により水中から突然巨大な島が隆起してメタンも発生しているという。 2013-10-03) と同様なメカニズムであろうか?

 一方では、 昨今オーストラリア、中国などで発生しているシンクホール(地殻沈没)、大西洋上で発見されたブラックホールなど、地球上のいたるところで、穴が空いていますが、その反動的な地殻変動現象か??

 本件、既報地震および津波に係る記載(その50:大陸移動による奇妙奇天烈なプレートの動きがあるという。)(2013-06-01)によれば、

 地殻は大陸移動のストレスなどプレートの動きによって奇妙奇天烈な動きをしているというが、その一連の挙動の一環?でしょうか。

詳しくは・・・奇妙奇天烈なプレートの動き
http://www.ailab7.com/kiteretu.html


 まえがきが長くなりましたが、

 電子基準点やGPSのデータを使った高精度の地殻変動の測定による地震予測でM7以上の南海トラフ地震の可能性があるというが、・・・。

カラパイア

電子基準点データに東日本大震災の直前と同じ異変が確認される。M7以上の南海トラフ地震の可能性を示唆(地震科学探査機構)

2013年11月20日 

http://karapaia.livedoor.biz/archives/52146260.html
( 一部割愛しました。)

「測量学の分野の権威である東京大学名誉教授の村井俊治氏は、現在「地震予測」の研究に力を入れている。村井氏が立ち上げた地震科学探査機構(JESEA)の研究チームが、国土地理院が全国1200ヵ所以上に設置している電子基準点のデータをもとに、地殻変動の動きを観察し続けたところ、最近のデータが、東日本大震災の発生前と同じ異変を示しており、今年12月から来年3月頃の期間に南海トラフでの大地震が起こる可能性があるという

電子基準点のデータは、GPSをさらに精密にしたようなもので、人工衛星を使って、地上に置かれた基準点の動きを誤差2~3mmの範囲で測定する精密な測地システムだそうだ。

 そのデータが、今年6月末、九州・四国・紀伊半島で異常変動があり、9月1~6日には、日本全国が異常な変動を起こした。その次の週は逆に変動がほとんどなくなったという。この動きは、東日本大震災の前と酷似しており、変動と静穏期間が半年ほどの間に3回、繰り返されたいう。

そしてさらに、事態は悪化した。

 9月の異常変動後、4週間の静穏期間を経て、10月6~12日、再び広範囲で変動が起こった。とくに大きな変動がみられたのは、九州・四国で、それまで高知県、愛媛県、紀伊半島に出ていた異常が香川県、徳島県など瀬戸内海側に移行。九州、徳之島、沖縄も動いているという。

 これらの場所は、南海トラフでの地震、とくに九州・四国沖を震源とする南海地震が起こるとされている地域と合致するのだそうだ。

 村井氏は3・11の東日本大震災が起こる前の2010年9月に、全国的な異常に気付いていた。その後、2011年1月にも東北・関東で異常を観測したものの、その時は、それが巨大地震の前兆だと言えるだけの準備が整っておらず、公の場で発表することはできなかったという。

 そのときの後悔が引き金となって、今回はデータ上に現れた異変を発表するにいたったそうだ。昨年1年間の地震予測的中率は75%。今年に入り、2月の十勝地方南部地震、栃木県北部地震、4月の淡路島付近の地震の際は、事前に予測を発表することができたという。

 

村井氏の電子基準点やGPSのデータを使った地震予測に問題点がないわけではない。地震学専門の武蔵野学院大学特任教授、島村英紀氏は、「地表の土の部分がどう動いたら、地震を起こす地下の岩盤はどう動いているのかというメカニズムがわからない。GPSなどでどれくらい動いたら、地震につながるというデータも残念ながら、ない。さらに、大地震を引き起こす海底の南海トラフなどの上には電子基準点がない。GPSによる研究は有意義かもしれないが、地震予測にただちに結びつくものではないと思う。」と語る。

村井氏はこれに反論。「電子基準点のデータとは確かに、季節や豪雨によっても変動するが、一定以上の大きな変動がある以上、地殻の動きと関係していると見ていいはず。我々は、地震のメカニズムを追究しているわけではなく、GPSのデータと地震との相関関係を分析するという工学的アプローチをとっている。ここが地震の研究者たちとの一番の違いである。」

 「地震が発生するまでの、GPSで測った地面の動きのデータをたくさん集めてくると、”こう地面が動いたときに地震が来ている”という関連性がわかる。自然科学者である地震学者は「なぜそうなるのか」と考え始めるが、人間社会での応用を重視する工学者は、”とにかくそうなるのだから、どうにか手を打てないか”と考える。」と語る。

 村井氏の考え方は、「それで人命を救える可能性が少しでもあるのだったら、ときには間違いがあっても、情報を出していったほうがいいんじゃないか。」というもので、予測技術の実社会での応用を重視する方針だ。

百パーセント当たるなら別だが、予測が外れた場合は社会に混乱を引き起こす。それだけに地震予測というのは難しい問題なわけで、イタリアでは2009年にラクイラで起きた大地震地震予知に失敗したとして、地震学者らに禁固6年の判決が下されている。

 日本はいつどこで地震が起きてもおかしくはない地震大国である。我々ができることはいつ地震がきても最善の対策がとれるように常に心の準備をしていくことなのかもしれない。

▼あわせて読みたい

地震予知能力を持つアリ。地震が起きる前に異常行動を起こすことが判明(ドイツ研究)
・・・アリは地震の予兆となるガスの放出や地球の磁場の変動を感じ取っているのではないかと、バーバリッヒは推測する。二酸化炭素や電磁場を探知する特殊な受容体を持っているのかもしれない。今後は、それ以上の規模の大きい地震でアリたちがどう行動するかを観察する予定だという。・・・


東日本大震災直前に大気と電離層に異常を確認(NASA発表)
・・・観測によると、電離層における電子の量が劇的に増加、また震央における大気昇温を示す赤外放射の急増も見られたそうだ。「地圏—大気圏—電離圏—磁気圏結合」という現象として研究されているとのこと。地震直前に大規模なストレスによって大量のラドンガスが放出され、この放出による放射線は大気をイオン化するとのことで、これがさらに他の現象を連鎖して引き起こすとのこと。・・・

・・・」という。