藤森照幸的「心」(最年少被爆者、アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

拾得物

2021-04-28 10:26:05 | 日記・エッセイ・コラム

 この年になって、不思議と思って居る事が有る。 道路に現金が落ちていても、先を歩いている奥様は気が付かない。 それが一万円札でも。 ところが、変な物体が落ちていると、即座に反応するのが奥様である。 先日も、地元の景勝地「南原峡」へ出かけた時、奥様は即座に、次の物をお見付けであった。

     

鹿の角であるが、既にどなたかが手に入れて、加工されたものだ。 その数分後、山の法面で動物の死体を発見。 すでに半分は白骨化していたが、此の山中で、他の動物の餌にならない事が不意義であった。 写真をと思ったがあまりにも生々しいので辞めて置いた。 それにしても不思議なのが、落とすのは奥様、過去に落としたものは、財布、免許証・・・、ひらうのは、私なのだ。 過去には最大十万円を、深夜の踏切で拾った。 広島の流川で飲んでタクシーで帰宅途中、自宅近くの踏切が赤の警報が点滅しているので、タクシーが帰り易い様に100m手前の交差点で降りて、「てくてく」歩いていくと、ちょうど夜行列車がやってきた。その窓の明かりの中で足元が照らされて、何かがひらひらする。 拾い上げると十万円の札束だった。 交番に届けた。 警察官は、私の話がなかなか信じられなかったようだ。 暗い深夜、十万円御拾得物とは・・・。 後日近所のプロ野球の選手が、タクシーで帰宅途中、踏切で遮断機が下りてきたのでそこで降りたそうだ。 その時落し多様である。 彼こそが、後の名監督阪急上田監督だ。 奥様からお礼が留守中に届いていたが、今になってみるとお礼より「サイン」を貰っておけばよかった・・・。 拾得物の中には免許証も有る。 此れが案外多い。 不思議なのが、交差点の真ん中に落ちていることが多いいのだ。 車を止めて拾い上げたら、パトカーに注意されて押し問答になった事も有る。 結局私の言い分が通った。 おまけに此の落とし主が、県議会議長だった。 中には大工さんが落としていて、これは交差点の停止線の上に落ちていた。 帰宅してポケットを見たらなかったそうで、警察に届けたら中にお金が入っていたのでは、それは帰ってこないとあきらめた方が良いと言われたらしい。 実際に2万円入っていた。 交番に届けて置いたら、自宅に電話がかかり、日曜日にお礼に行きたい旨御申しだったが、固くお断りしたら、後日豪勢な贈り物が届いた。 一番変わった落し物は、「離婚届」である。 封筒に両者が捺印した離婚届と、離婚にあたっての話し合いの合意書が入っていたのはびっくりした。 如何したものか悩んだが、女性の方の住所に送って於いたが、その方のご両親から丁寧な手紙と商品券が送られてきた。 これはあまり嬉しくなかった事だけはよく覚えている。 一番大きな拾得物は、ご婦人の老人だ。 一人ぽつんとバスセンターの椅子に座っておられたので声を懸けたら、娘三人と一緒だったがいつの間にか一人になってしまったそうだ。 娘の家はどのバスに乗ればいいか判らないという。 初めて携帯電話を買った日であった。 最初の携帯電話の発信が、まさかの110番とは・・・。

コメント
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