藤森照幸的「心」(アスベスト被害者石州街道わび住い)

アスベスト被害者の日々を記録。石綿健康管理手帳の取得協力の為のブログ。

アスベスト汚染状況例(4)

2012-05-24 21:25:46 | 社会・経済

009 部屋を仕切る可動間仕切りである。保育園や病院など防災上この種のものは不燃材で作られている。嘗ては、病床を仕切るカーテンも、不燃カーテンであった。これ等は、石綿布を基材として作られている。石綿布の上から、石綿を含有させた、塩化ビニールでコーティングしアコーディオンカーテンと為る。開閉を繰り返すうちに劣化が進み、石綿の飛散が始まる。

012 渡り廊下である。屋根は折版と呼ばれる折屋根で、裏面に結露防止の裏打ちがなされている。

裏打ち材には二種類のタイプがあり、石綿布に塩化ビニール系の合成樹脂を含侵させたものと、石綿布を直接石綿系の接着材で裏打ちしたものとがある。これは、前者で紫外線に弱く本来断熱性に優れるので、屋根裏に使用される。この保育園では屋外に使用されていた。珍しいケースである。

016 軟質系のPタイルである。石綿が含有している可能性は50%以上。ただし、酢ビ系施着剤には、石綿が含有される。石綿を含むPたいるを、石綿塩ビタイルと呼ぶ。この施設では、十分なワックス管理がされているので飛散は無いと思われる。ただし、昭和六十四年までのワックスには、石綿を含有したものが存在し、清掃員が石綿曝露をした。

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アスベスト汚染状況例(3)

2012-05-24 10:55:47 | 社会・経済

Photo_2 雪ノ下が花を付けた。いよいよ夏本番である。梅雨も近い。

ところで数年前、岡山大学が石綿が原因の肺癌や中皮腫は、石綿そのものの毒性にあるのではなく、石綿の持つ物理的構造が原因であるという論文を発表した。

その説によるとα線を放出する物質が石綿と結びつき易く、自然界に存在するその物質と結合し蓄積された結果、肺癌や中皮腫を発症するというのです。確かにタルクなどはその様な性質を持つ構造をしており、その危険性は存在するように思います。

008 さてこの天井ですが、ジプトーンと呼ばれるプラスターボドと同じ製法で作られています。両面が石綿紙で作られ、中は石膏で形成されています。石膏のつなぎ役として石綿が使われています。いたって安定した物ですが、加工が容易く素人でもヒートンを取り付けたり、ビス止めのため容易く取り外しが出来、天井裏の配線を改良するときや、テレビアンテナ線を引き込んだりする時に傷つけ石綿を飛散させます。

010 この写真が良い例です。何か天井からつるす為手を加えたものと思われますが、支持力が弱い為落下しその後が、穴となります。こうなるとここから劣化が始まり、常に石綿が飛散していきます。現在では、この種の建材については、「石綿取り扱い主任者」が作業の安全性を確保し、工事を行う事に成っていますが、殆どの自治体の営繕課や、管理者にその意識が無く、野放しの状態なのです。皆さんのお子さんや、お孫さんが学校や保育園でこの様な危険にあっている可能性が存在します。行政の厳しい監視体制を望みます。

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