ところで数年前、岡山大学が石綿が原因の肺癌や中皮腫は、石綿そのものの毒性にあるのではなく、石綿の持つ物理的構造が原因であるという論文を発表した。
その説によるとα線を放出する物質が石綿と結びつき易く、自然界に存在するその物質と結合し蓄積された結果、肺癌や中皮腫を発症するというのです。確かにタルクなどはその様な性質を持つ構造をしており、その危険性は存在するように思います。
さてこの天井ですが、ジプトーンと呼ばれるプラスターボドと同じ製法で作られています。両面が石綿紙で作られ、中は石膏で形成されています。石膏のつなぎ役として石綿が使われています。いたって安定した物ですが、加工が容易く素人でもヒートンを取り付けたり、ビス止めのため容易く取り外しが出来、天井裏の配線を改良するときや、テレビアンテナ線を引き込んだりする時に傷つけ石綿を飛散させます。
この写真が良い例です。何か天井からつるす為手を加えたものと思われますが、支持力が弱い為落下しその後が、穴となります。こうなるとここから劣化が始まり、常に石綿が飛散していきます。現在では、この種の建材については、「石綿取り扱い主任者」が作業の安全性を確保し、工事を行う事に成っていますが、殆どの自治体の営繕課や、管理者にその意識が無く、野放しの状態なのです。皆さんのお子さんや、お孫さんが学校や保育園でこの様な危険にあっている可能性が存在します。行政の厳しい監視体制を望みます。
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