CHESTNUTS's Living

Living・・・意味は「暮らし」
(なるべく)手作り、平穏で安心できる暮らしを目指しています・・・

ウィルスの話

2009-06-23 22:07:51 | 科学
まず昨日の「オーダー・ロープワーク」の記事が カテゴリー「ぽんちゃんワールド」に分類されているため、インフルエンザの文をこちらへ載せておきます。


『・・・そうそう、インフルエンザと言えば(余談)
5月10日読売新聞の「サイエンス・学び」欄で見て気になっていたのですけど。

インフルエンザウィルスの中に遺伝子があって、その遺伝子を調べれば、ウィルスの進化の過程が分かるんだそうですよ。

それで、今回の新型ウィルスには8本の遺伝子(RNA)があり、3本が北米の豚、2本がアジア・ヨーロッパ地域の豚、2本が鳥、1本が人間のウィルス由来なことが分かったそうなんです。

つまりぃ・・・
私たちが毎年ごく普通に感染してるインフルエンザウィルスって、もうすでに動物由来のものだったんですよ!
今更「豚のウィルスだ!大変だぁ!!」とか騒いだって、何てことないわけですよーー!
「今回の新型は弱毒性だから大丈夫」っていうの、信じていいんですよ。
そうか、なるほどー! 

ただ今回、報道が騒ぎ過ぎたことと、それに煽られて 感染者が出た学校の生徒というだけで色々と辛い思いした方たちがいたり、修学旅行が延期・中止になったり・・・情報のあり方・伝え方をもっと考えなくてはいけないんじゃないかと思いましたよ。
意味なく闇雲に隔離するだけでなく、きちんと筋を通し、世間にこういう正しい情報を伝えるのが大事なんじゃないのかなぁ。

また確かに弱毒性であるかもしれないけど、いろんな生物の間を行ったり来たりして進化を続けるウィルスだって、なぜそんなに進化する必要があるのか?
(医学が進歩し、人間がワクチンを開発するから)
なぜ動物から発生したウィルスが人間に取りつくのか?
なぜ何種類もの生物間を行来きするのか?
利益を優先させるために、生態系を歪ませてきた人類へのツケなのかもな、と思います・・・』




福岡伸一さんの「生物と無生物のあいだ」は、大学の生物学の教師の質問から始まる。
「人は瞬時に、生物と無生物を見分けるけれども、それは生物の何を見ているのでしょうか。
そもそも、生命とは何か、皆さんは定義できますか。」
細胞からなる、DNAを持つ、呼吸によってエネルギーを作る、などが挙げられたが、夏休みが来て日程は終わってしまい、明確な答えは得られなかったそうだ。

ここでウィルスの登場である。 果たして「ウィルスは生物か?」

『光化学顕微鏡よりも10倍から100倍もの倍率を実現する電子顕微鏡の開発により、科学者たちは初めてウィルスを捉えた。
ウィルスは彼らが知っていたどの病原体とも異なり、非常に整った風貌、まるでエッシャーの描く造形のように、幾何学的な美しさを持っていた。
そして同じ種類のウィルスは全く同じ形をしていた。
なぜかというと、それはウィルスが生物ではなく、限りなく物質に近い存在だったからである。

ウィルスは栄養を摂取することがない。呼吸もしない。二酸化炭素を出すことも老廃物を排泄することもない。一切の代謝を行っていない。
それなのに、ウィルスは自らを増やせる。自己複製能力を持っている。
この能力は核酸=DNAもしくはRNAが担保している。
(RNAとは、DNAを基にして増殖した遺伝子のこと)
ウィルスは単独では何も出来ないくせに、細胞に寄生することによってのみ複製するのだ。
つまりウィルスは生物と無生物のあいだをたゆたう何者かである。』
しかし、このことは未だに決着していないそうである・・・
(「生物と無生物のあいだ」より抜粋)



新型インフルエンザの中の、8本の遺伝子(RNA)。
細胞に取りつき、自身のDNAを注入し、増殖したウィルスを細胞から切り離し、少しずつ進化を続ける。
毎年違う型のインフルエンザが流行るのは、ウィルスが進化するからで、そのせいで人間にも動物にも取り付けるようになってしまったのである。


「種の壁」の記事のなかで「豚インフルエンザは種の壁を超えてる」って書いたけど、ちょっと違うような気がする。
ウィルスはたんぱく質に取りついて増えるから、人間でも動物でもいいわけだ。
その動物独自の病気ではない。
それなのに独自の病気と思われてきたはずなのに、いつしか人間にも取りついてしまったおそろしい病気がある。

それが「狂牛病」である。

どうやって「狂牛病」が人間にうつったか?



既に長い分になってしまっているので、次回へ続く。
(読んでる人、いるのかいな・・・