よむよま

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仏果を得ず

2013-03-26 20:59:36 | 読む
三浦しをん「仏果を得ず」双葉文庫
おもしろかった!
すっかりはまり込んで読んでしまった。
文楽の世界を舞台にした青春ものだけど、
なかなか深い芸道ものでもある。

主人公は文楽の大夫。若手の義太夫語り。
各章の名前が浄瑠璃の題名になっていて、
主人公が語る作品だったり、ストーリーや人物にからんだ作品だったり。
浄瑠璃ガイドにもなってるかも。

主人公が舞台で語っている描写のところは、
義太夫の音が聞こえてくるような感じがするのです!
芸の悩み、恋の悩み、師匠、相方、いろいろあって、
クスクス笑いながら読んでいって、でも、
最後の章の「仮名手本忠臣蔵」の勘平腹切りの場に至って、
読んでいて涙が出てきてしまいました。

ここは、勘平と忠臣蔵の忠義についての「新・解釈」ともいえるところもある。

有名作家なんですね、初めて読んだ。
大変、おもしろうございました。
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