初春大歌舞伎・浅草柱建て
歌舞伎座第一部を見てきました。
去年八月の再開から四部制一演目だったが、今月から三部制で二演目になっていて、それでも休憩15分を入れても1時間半ほどの上演時間になっている。
第一部の最初は「寿浅草柱建」(ことほぎて はながたつどう はしらだて)
お正月は毎年、浅草公会堂で花形歌舞伎が上演されてきたが、今年は中止になった。その若手たちによる曽我対面の舞踊劇。
舞台のバック(背景)のど真ん中にどーんと大きな富士山が描かれ、両脇に松が描かれ、その前に紅白の梅の木が配されて、朱色の欄干の台座があって、とってもめでたい景色!豪華な衣装の傾城は米吉、莟玉(かんぎょくさんは体調不良で休演からの復帰)、鶴松の3人で、若くてかわいい。
ラストで背景が上がっていったので、え?もう一枚背景があるの?
現れた背景は「宝」の文字の大きな帆が描かれてて、その前には俵が積まれてて、宝船の構図になって、そこにみんな乗って、七福神の見立て。(9人いるけど)
さらに、普通は工藤祐経から曽我兄弟に、富士の狩場に入る手形が渡されるところを、今回は浅草寺にお祓いしてもらった疫病退散のお札が渡されました。拍手!
みんなで無事に生き延びましょう。敵討ちはそれからだ!
そのお札を掲げて幕切れのポーズとなりました。
隅から隅までめでたい舞台でございました!めでたし!
二つ目は「悪太郎」
猿之助の狂言舞踊。酒飲みの悪太郎をこらしめるために、叔父(猿弥さん、今回は白塗りでちゃんとしたお殿様)が、酔っ払った悪太郎の頭を剃ってしまう。目が覚めた悪太郎は、「これは仏様の思し召しか!」と思い込む。
前半は、酔っ払って人にからむ悪太郎のコミカルな踊り、後半は、目が覚めたら坊主になっていて、仏道修行に励みはじめる悪太郎のコミカルな踊り。
猿之助の曽祖父の猿之助のために作られた踊りだそうで、狂言ふうの線の太い感じ、豪快、やんちゃ、無邪気な愛嬌が必要で、これは難しい踊りだねえ。
猿之助はとても上手なんだと思う。楽しかったです。でも、難しいねえ、こういうのは。
これ、勘ちゃんだったらどう踊りますか?見たいなぁ。だめなのかしら、こういう、完全にそこの家(澤瀉屋)の芸という作品は、ほかの人は教わっちゃいけないのかな。