よむよま

よむ・よまない、それから。

海老蔵の「助六」

2017-03-18 21:35:12 | 見る
10日に三月大歌舞伎の夜の部を見てきた。
海老蔵の「助六」がお目当て。
見て、思ったのは、助六ってこんなにまったりしてたっけ?

「助六はせりふ劇だ」というのは、いまの幸四郎がやるのを見るまではわからなかったことなんですけど、
(幸四郎のは、聞くべき助六で、見るべきものじゃなかった。ラジオなら最高)
イメージとしては、出てくる人がみんなタンカ切って、
「さあ、これからは揚巻が悪態の言い初め」みたいに、
悪態をいかにうまくすばらしく並べ立てるか、早いテンポでポンポン言うような気がしてた。

とてもゆったりしたテンポで進むんですね。
最初に口上を述べる役(市川右團次)が出てきて、
古風な芝居なんだということを言ってたね、そういえば。
新・雀右衛門の揚巻は、思ったより嵌ってましたが、
妹分の花魁の白玉役の中村梅枝が絵としてよかったわ。
ただ、ちょっと顔がコワかったかな、緊張感があったのかな。

菊五郎が兄の白酒売りで出てくると、むしろ華やかに感じる。
やはり大スターの貫禄?

一番目の演目が「引窓」で、
これは人間関係が複雑なのと、なぜ「引窓」かわかってないと、わかりにくいよね。
引窓を開けて、明るい月の光が入って、もう明るいから朝なんだと無理に言ったりするわけがわかってないと。
何回目かの観劇で、やっとそこがわかったわ。
この場では、実子と義理の子の間で苦悩する母が主役なのね。

二番目の演目は、藤十郎と仁左衛門で、楼門の場。だけど、藤十郎が女五右衛門。
実際には光秀の娘という設定があるそうだけど、それは重要じゃなさそう。
こういうアレンジもの、あるんだね。初めて見た。
藤十郎さんは座ったままかと思ったら、途中で腰掛から立ち上がるので、
わあ、立たないでいいですよと思っちゃいました。
仁左衛門さんはお変わりなく。
コメント
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