南九州の片隅から
Nicha Milzanessのひとりごと日記
 





 日本全国で、特に100歳以上の高齢者の戸籍が残っていたことが問題になっている。中には200歳(文化7年、1810年生まれ)の方の戸籍も見つかったという。
 しかし、世間で騒ぐほどの大問題だろうか? 私はちっともそうは思わない。

 これは役所の怠慢などという、ありきたりの言葉で一蹴するようなことではない。
 むしろ、太平洋戦争で多くの都市が戦火に見舞われたにもかかわらず、明治や江戸時代生まれの方の戸籍が未だに役所に保存されて残っていることは素晴らしいことだと思う。
 確かに職員の転記ミスなどのケースもあるだろう。しかし、ほとんどは死亡届が提出されなかったことによるものだと思われる。
 死亡届が出ていないのに、戸籍を抹消する権利が誰にある?? たとえ150歳だろうが200歳だろうが、死亡届が出されていないのであれば、役所側で勝手にピックアップして抹消する方が大問題だ。そんなことをしていたら、「役所に勝手に殺された(=抹消された)」と訴える人が出てくるに違いない。

 無論、年金や100歳祝い金を不正に受給していた例などは言語道断だ。市町村側もチェックや情報管理・共有が不十分だったため、そのような事態が起きたことは反省すべきことだ。
 しかし、日本の市町村役場は戸籍を大切に保管しているという証明にもなったのだ。市町村職員が勝手に抹消していないことは、個人情報保護が厳格に保たれているということだ。これは誇るべきことではないか?



 政治家、特に国会議員は、自分や自分の党の人気取りだけのために「公務員を減らす」「公務員の給料をカットする」などとすぐに主張するが、全くの筋違いである。向いている方角が間違っている。

 大企業は別であるが、公務員の給料(給料表)は中小企業の人事部などが社員の給料を決める際の参考にされている。つまり、政府が公務員の給料をカットすれば、それはいずれ企業の大部分を占める中小企業の社員の給料カットにつながるのだ。そして、今度は「中小企業の給料より公務員の方が給料が高い」「税金で飯を食ってるのにけしからん」「経済格差だ」などと言って、また公務員の給料をカットする。
 これこそ悪政。政府主導の負のスパイラルだ。

 こんなことをしているから、日本は経済大国から滑り落ち、周りからどんどん追い越され、発言権も失い、マネーゲームで円高に仕立て上げられ、世界中から嘲笑の的となるのだ。
 今、日本が世界をリードしていること…、それは世界有数の自殺大国となったことだけだ。

 公共事業廃止? ハコモノはもういらない? これこそおろかな政策ではないか。
 ハコモノを造ることで、地元の経済がどれだけ活性化するのか、どれだけ潤うのか、そのことを全く分かっていない。儲かるのは地元の建設業者だけじゃないのだ。
 それにいち早く気づいたアメリカ合衆国は、いま公共事業をどんどん復活させている。

 政治家は財力と権力が違う特別な人間だから、庶民のことなど分からない。いや、分かろうともしない。そもそも興味がない。頭にあるのは自分のことだけ。
 頭のいい日本の政治家が、この不況日本の解決策を分かっていないはずはない。自分たちが特権階級のようになって、貧しい国民の動向を蔑視に近い上から目線で見て支配しているのが面白いのだ。
 今回の戸籍の件も、政治家がマスコミを使って公務員の揚げ足を取り、面白がっているだけだろう。

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