イタリア・フィレンツェで絵画の修復士を目指す阿形順正は、かつて愛していながら永遠の別れを選んだ最愛の恋人・あおいをどうしても忘れることができずにいた。順正の心に宿るひとつの希望、それは10年前にあおいと交わした“30歳の誕生日にフィレンツェのドゥオモ(大聖堂)で待ち合わせる”という他愛もない約束だった…。
一つの恋愛を女性側から江國香りさんが・・・男性側から辻 仁成さんが描いた恋愛小説・・・合わせ鏡のように構成されている
舞台がイタリア・ミラノ・・・
私は江國香織さんの本から偶然読み始めた、なんということはなしに・・・
ブという発音をすべてヴと発音するイメージ
本の虫、お風呂好き、アンティーク宝石・・・満ち足りた生活、優しい恋人、恵まれた美貌・・・
くるみとバターをはさんだホシイチジクが大好きなあおい・・・
辻氏が描く阿形順正・・・
昨日と同じような一日を送っているが・・・昨日という日には決してもどれない現実・・・
人は未来に向かって歩かなければいけないのだろうか?過去しか振り返ることのできない人生なんて価値がないのか・・・
後悔のない人生など存在しない・・・後悔に縛り付けられる苦しい日々・・・
怪我や病気なら、手当もあろう~~しかし心の痛みってどうすれば治る?
心って・・・いったいどこにあるの?
約束の2000年5月25日、あおいの30歳の誕生日・・・フィレンツェのドゥオモのクーポラで二人は再会する
江國さんが切ないラストに余韻を残して終わっていただけに・・・
辻氏が最後は爽快にやってくれました・・・