奈良警官発砲事件、死亡者の親が警官を訴えたため、大変複雑な裁判になった。
(事件の内容)
奈良県大和郡山市で2003年9月、車上狙いの逃走車に警官が発砲して助手席の男性(当時28歳)が死亡。運転手は重傷を負った。
(裁判)
①生き残った運転手の裁判:窃盗と公務執行妨害で懲役6年の刑が確定、既に服役が終わり出所
②死亡者の親が警官を訴えた裁判(民事):1審、2審も違法性なしという判決
③同上(警官不起訴処分に対する「不服申し立て」の手段の一つである付審判)
:これがもっともややこしい裁判。公務員の職権濫用等の罪についての不服申し立ては裁判所が受理して検察審査会ではなく裁判所自身が判断する。この事件では裁判所が付審判を決定したうえに、裁判員裁判にかけたから話がややこしくなった。こちらも本年2月26日に無罪になっている。
民事の二審も違法性否定=奈良警官発砲、賠償認めず―大阪高裁(時事通信) - goo ニュース
本件に関する私の感想は以下のとおり。
①死亡した親が警官を訴えることが理解できない。私が親なら息子の犯罪を世間にお詫びし裁判など行わない。
②裁判所が付審判決定し、なおかつ裁判員裁判にかけたのは意図的ではないか。
今回の警官の行動は違法ではないもののお粗末なので世論を尊重し付審判決定をしたが、裁判員裁判にかければ、逃亡中に暴走を行った運転手の悪さかげんに裁判員はあきれ、警官が無罪になると確信したからではないか。
③最近、こういう無謀な逃走を行う犯罪者が多い。警察は適切な行動を行う訓練が必要ではないか。奈良県警の行動はとても褒められたものではない。