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MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『クライマーズ』

2020-10-21 00:59:50 | goo映画レビュー

原題:『攀登者』 英題:『The Climbers』
監督:ダニエル・リー
脚本:ダニエル・リー/ア・ライ
撮影:トニー・チャン
出演:ウー・ジン/チャン・ツィイー/チャン・イー/ジン・ボーラン/フー・ゴー/ジャッキー・チェン
2019年/中国

史実よりも優先される「メロドラマ」について

 日中合作の『オーバーエベレスト 陰謀の氷壁』(ユー・フェイ監督 2019年)を観て後悔したばかりだったが、本作は1960年に北稜からのチョモランマ登頂に世界で初めて成功し、15年後の1975年に再び挑戦する中国の登山隊の実話が元になっているということで観に行ったのだが、相変わらずだった。
 やはり気になるのは隊員たちがしているゴーグルで、さすがに隊長のファン・ウージョウは立派なゴーグルを身につけており、中にはサングラスで済ませている者もいるのだが、酷いのは気象チームを率いるシェイ・インで、やはりチャン・ツィイーが演じているためなのかサングラスさえ身につけていないのである。
 そのシェイ・インが急に吐血して体調を崩し、何と彼女は肺水腫だったという設定で、写真家として雇われたリー・グオリャンはマルファン症候群を患っており、もう史実よりも「メロドラマ」が優先されていて事実はどうだったのか何が何だか訳が分からず、現実ではあり得ない派手な遭難シーンを堪能するしか楽しみようがないように思う。


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『シカゴ7裁判』

2020-10-20 00:13:43 | goo映画レビュー

原題:『The Trial of the Chicago 7』
監督:アーロン・ソーキン
脚本:アーロン・ソーキン
撮影:フェドン・パパマイケル
出演:サシャ・バロン・コーエン/エディ・レッドメイン/ジェレミー・ストロング/ジョセフ・ゴードン
2020年/アメリカ

最後のオチの弱い「法廷劇」について

 そもそも「シカゴ・セブン」とは1968年にヴェトナム戦争反対の意を示すためにイリノイ州シカゴの民主党全国大会に押しかけた人々の内の、「青年国際党(イッピー)」のメンバーのアビー・ホフマンとジェリー・ルービン、「ベトナム戦争終結に向けた全米動員委員会(The MOBE)」のトム・ヘイデンとレニー・デイビス、ガンジーの非暴力主義を掲げる平和主義者のデヴィッド・デリンジャー、反戦活動家のジョン・フロイネスとリー・ウェイナーである。もともとはブラック・パンサー党のボビー・シールも加えて「シカゴ・エイト」と呼ばれていたが、ボビー・シールは重なる法廷侮辱罪の末、裁判から切り離されることになるのだが、今では考えられないその過程も描かれている。法廷内でシールを拘束し猿轡をはめた裁判官のジュリアス・ホフマンは罰せられている。
 当初、8人は共闘して民主党全国大会に押しかけたと見なされていたようで、それは裁判で疑いが晴れているのだが、市民のデモが過激化した要因は集会で仲間が警官に暴行されている場面を見たトム・ヘイデンが怒りにまかせて参加者を煽った面もあったようである。
 ラストシーンはフィクションだと思うが、法廷内で「反戦運動」を果たしたということが本作の醍醐味でカタルシスをもたらすのだと思う。しかしよくよく考えるならば裁判官が止めればいいだけの話でこのオチは弱いと思う。
 デモの参加者にアレン・ギンズバーグもいたようだが、当時42歳のギンズバーグはあまり歓迎されていないように見えた。
 それにしてもデリンジャー(Dellinger)とデリンジャー(Derringer)の発音の違いが全く聞き分けられなかった。
 セレステの「ヒア・マイ・ヴォイス」を和訳しておきたい。

「Hear My Voice」 Celeste 日本語訳

私の声を聞いて
私の夢を聞いて
私たちを私が信じる世界にさせて欲しい

私の言葉を聞いて
私の叫びを聞いて
私の目を通じて私に変化を見させて欲しい

私の声が聞かれることはないと
あなたは信じているかもしれない
それでも私は手を挙げて
これらの言葉を
炎の言葉を
希望の言葉を
欲望の言葉を広げるつもり
どうかそれらの言葉を自由にして欲しい

私の声を聞いて
私の夢を聞いて
私たちを私が信じる世界にさせて欲しい
私が信じるものに

私の言葉を聞いて
私の選択を聞いて
私の声を聞いて欲しい

Hear My Voice (Official Video) | From The Trial of the Chicago 7 on Netflix October 16


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『プリズン・エスケープ 脱出への10の鍵』

2020-10-19 00:25:26 | goo映画レビュー

原題:『Escape from Pretoria』
監督:フランシス・アナン
脚本:フランシス・アナン/L・H・アダムス
撮影:ジェフリー・ホール
出演:ダニエル・ラドクリフ/ダニエル・ウェバー/イアン・ハート/マーク・レナード・ウィンター
2020年/イギリス・オーストラリア

納得しかねる「脱出劇」について

 南アフリカ共和国のアパルトヘイトといえばすぐにネルソン・マンデラの名前が思い出されるが、まさかアフリカ民族会議(=ANC)の白人メンバーにこのような脱出劇があったとは想像もしていなかった。
 本作は主人公の一人であるティム・ジェンキンが刑務所内で入手できる作業場の木材によって合鍵を作り、一年以上かけて刑務所の外に出られるまでにある扉の全ての鍵を用意し、実際に脱出したのである。ティム・ジェンキン本人も囚人の一人として出演しており描写に間違いはないと思う。
 しかしどうも納得しかねるのは、例えば、鍵を自分の部屋で作成するために作業場から部屋に持ち込む際に、コーヒーが入った個人の水筒に隠してジェンキンは持ち込もうとするのだが、もちろん作業場から出る前に全員の水筒がチェックされ、飲み残したコーヒーは捨てられて水筒を渡される。ジェンキンも上手く隠して鍵を自分の部屋に持ち込むのだが、まるで手品のようで納得しがたいとしてもスリルとサスペンスは十分に堪能できる。


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『ある画家の数奇な運命』

2020-10-18 00:34:51 | goo映画レビュー

原題:『Werk ohne Autor』 英題:『Never Look Away』
監督:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
脚本:フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
撮影:キャレブ・デシャネル
出演:トム・シリング/セバスチャン・コッホ/パウラ・ベーア/オリヴァー・マスッチ
2018年/ドイツ

「退廃芸術」と「公認芸術」の組み合わせについて

 ドイツのモダンアートの巨匠であるゲルハルト・リヒターの半生をモチーフとしているのだが、リヒターの作風が生まれるきっけかが分かるような気がした。
 主人公のクルト・バーナートにはエリザベト・マイという叔母がいて、20歳のエリザベトはクルトを「退廃芸術展」に連れていったりする一方で、高校生の代表としてアドルフ・ヒトラーに花束を渡す役割を担い悦に入っている。つまりエリザベトは「退廃芸術」も「公認芸術」も両方の良さが理解できるのであり、それはバスのクラクションに美しい「ラ」の音階を聞き出したり裸でピアノを弾くという行動にも表れる。
 クルト独特の作風である「フォト・ペインティング」とは写真と絵画の組み合わせで、元々は精神障害者としてナチスに連れていかれようとするエリザベトの姿を見たいけれど見ないようにと自らの目を手で覆ったことに端を発した「ソフト・フォーカス」なタッチなのだが、それは「退廃芸術」と「公認芸術」の組み合わせではなかっただろうか。
 上映時間の188分があっという間に過ぎ去る傑作である。作品内で使われていたフランソワーズ・アルディの「恋の季節」を和訳しておきたい。

「Le Temps de L'amour」Françoise Hardy 日本語訳

恋の季節とは
仲間たちと「恋の駆け引き」の季節
その季節が通り過ぎるたびに
傷ついているにも関わらず夢中になっている

だって恋の季節とは長いようで短く
終わることはなく誰も忘れられない

20歳の頃は
誰でも自分がこの世の王様だと思う
そして永遠に
自分たちの目は青空で占められると思うんだ

恋の季節とは
仲間たちと「恋の駆け引き」の季節
その季節が通り過ぎるたびに
傷ついているにも関わらず夢中になっている

だって恋の季節はあなたの心に
たくさんの情熱と幸福を注ぐのだから

ある日、恋に出くわすと
心臓が激しく鼓動する
だって人生はそのように進み
恋をしている時が最高に幸せなのだから

恋の季節とは
仲間たちと「恋の駆け引き」の季節
その季節が通り過ぎるたびに
傷ついているにも関わらず夢中になっている

だって恋の季節とは長いようで短く
終わることはなく誰も忘れられない
誰も忘れられない
誰も忘れられない
誰も忘れられない

Françoise Hardy "Le temps de l'amour" | Archive INA


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『ライフ・イズ・カラフル! 未来をデザインする男 ピエール・カルダン』

2020-10-17 00:13:39 | goo映画レビュー

原題:『House Of Cardin』
監督:P・デヴィッド・エバーソール/トッド・ヒューズ
撮影:ローラン・キング
出演:ピエール・カルダン/ジャン=ポール・ゴルチエ/シャロン・ストーン/高田賢三
2019年/アメリカ・フランス

モードの革命家の素性について

 最初にピエール・カルダンがイタリア出身であるということに驚かされたのだが、1922年生まれのカルダンは2歳の時に当時のイタリアのファシズムから逃れるために家族でフランスに移住したのである。
 カルダンは14歳の頃から服飾の仕事に関わり、本人の証言では占い師に言われて1945年にパリに出て「ジャンヌ・パキャン」というブティックで働きだし、その時、『美女と野獣』の映画制作で衣装の依頼をしに来たジャン・コクトー監督と出会い意気投合したらしい。当時は業界もまだ狭い世界で、若くてハンサムだった本人曰く「ジャン・コクトーもジャン・マレーもルキノ・ヴィスコンティもピエル・パオロ・パゾリーニもみんな俺とヤリたがった」というのが笑える。
 クリスチャン・ディオールに移ってすぐに独立したのは、ディオールの「ニュールック」という体のラインを強調したファッションに対して「バブルドレス」という体にゆったりとしたファッションを提唱したかったからであろうし、さらにカルダンは「オートクチュール」という高級衣服を「プレタポルテ(既製服)」という形で一般庶民に提供したことで革命を果たし、同業者からはもちろん嫌われることになるのだが、他のファッションデザイナーが銀行から融資を受けたことに対して、カルダンだけは自前で巨大マーケットを開拓していく。
 カルダンは「コスモコール・ルック」という前衛ファッションを1966年に発表するのみならず、例えば、日本人の松本弘子など有色人種のモデルや男性モデルなど積極的に起用し、さらには自動車や家具や食器などデザインの可能性を広げ、ついには「エスパス・ピエール・カルダン」という劇場や「マキシム」という老舗レストランを買収して自分自身の可能性も広げていくのである。
 ピエール・カルダンはフランスの女優のジャンヌ・モローと交際していたことがある。モローは1949年にジャン=ルイ・リシャールと結婚し、ジェロームという息子をもうけているが1951年に離婚している。カルダンが衣装を担当した『エヴァの匂い』(1962年)で2人は出会い、モローの方が積極的で交際を始めたようだが、子供ができなかったために別れたようである。モローは知らなかったのかもしれないが、それはカルダンの性癖に原因があるようで、カルダンにはメイン・アシスタントとして1952年から彼の下で働いていたアンドレ・オリヴァーという「恋人」がいたのである。オリヴァーは1993年に61歳でエイズで亡くなっている。
 カルダンは、例えば、会いに来たジャン=ポール・ゴルティエのスケッチを見てその場で採用するような才能の発掘も上手かったようだが、イヴ・サン=ローランとは友達ではなかったと言い放ったのが印象的だった。


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『スペシャルズ! ~政府が潰そうとした自閉症ケア施設を守った男たちの実話~』

2020-10-16 00:58:22 | goo映画レビュー

原題:『Hors Normes』 英題:『The Specials』
監督:エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
脚本:エリック・トレダノ/オリヴィエ・ナカシュ
撮影:アントワーヌ・サニエ
出演:ヴァンサン・カッセル/レダ・カテブ/エレーヌ・ヴァンサン/ブライアン・ミアロンダマ
2019年/フランス

看護する側とされる側の視点の違いについて

 ブリュノ・アロシュがジョゼフという少年と出会って15年前に設立した自閉症の子供をケアする団体「正義の声(La Voix des Justes)」は、マリクという男性によって運営されている、社会に馴染めないまま無職でいる若者たちを受け入れて人材派遣している「寄港(L'Escale)」というイスラム系の団体とタッグを組んで両方の若者たちに社会で生きる機会を与えている。この試みは一石二鳥ではあるが、両団体共に資格を持たないために厚生省から認可を受けておらず、寧ろ無認可施設として監査局の調査が入っており、実際に様々な問題が生じてはいるのだが、だからと言って国が彼らを引き受けるわけではなく、現在は公認はされないまま見逃されている状態らしい。
 このような作品では珍しく、冒頭から施設から逃げ出した少女と彼女を追いかける職員たちの「逃走劇」から始めるアクション映画として描かれ、その作風は最後まで貫かれており見応えがあると思う。
 印象的なシーンとして頭突き防止のためにヘッドギアをされているヴァランタンを担当している新人のディランが言語聴覚士のルディヴァンがヴァランタンにしたテストで分からなかった欲しい飲み物を水ではなくコーラだと分かったのは、やはり絶えず一緒に過ごしているからで医師の限界が分かる。ジョゼフは洗濯機に(ボタンに?)異常に拘る資質の持ち主なのだが、特に男性は成長するに伴う性欲が問題をさらにこじらせる嫌いはある。
 因みに原題は「規格外たち」という意味だが、英題は「専従看護人たち」という意味である。


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『フェイス・ベースド ダメ男ふたりが人生で一発逆転する方法』

2020-10-15 00:23:19 | goo映画レビュー

原題:『Faith Based』
監督:ヴィンセント・マーシャル
脚本:ルーク・バーネット
撮影:ウィル・ストーン
出演:ルーク・バーネット/タナー・トーマソン/ダニー・ウッドバーン/ジェイソン・アレクサンダー
2020年/アメリカ

アイロニーにならない作品のクオリティーの低さについて

 「幼なじみの男性2人が人生の一発逆転を狙って共に映画制作にチャレンジする」という宣伝文句に釣られ、制作する映画が「神」を主人公とする宗教絡みということで観た次第である。
 幼なじみのルークとタナ―は大人になってもうだつが上がらず、ルークはプール清掃のアルバイトをしながらマルチ商法で金持ちになったニッキー・スティールという男から購入していたお茶を売っていたのだが、バレてクビになってしまう。映画で一発当てれば金持ちになるということを聞いたルークはタナ―に相談し、バーテンダーをしていたタナ―は常連客を仲間に加えて制作しようとするのだが、2人は資金もノウハウもなかった。
 良い作品が撮れたならば20万ドルで買い取ると映画配給先に言われた2人はルークの父親のマイクが大好きな俳優であるブッチ・サヴェージが「神」として出演するという口実で制作費を出してもらい『宇宙での祈り(A Prayer In Space)』の撮影にこぎつけるのだが、もちろんそれは嘘であるゆえにマイクにバレて撮影は土壇場で中止となる。
 ルークとタナ―は仲違いしてしまうのであるが、聖書の勉強会を始めたタナ―は何故か同性愛者と勘違いされ、ルークは憧れのニッキー・スティールに会えたのだが、自分が想像していたような人物ではなかった。
 ここからストーリーは急展開するのだが、映画を完成させるためにブッチ・サヴェージの代わりにマイクが「神」として出演することになった作品は2019年7月に教会で上映されるのであるが、どのように見ても良い作品とは言えないにもかかわらず拍手喝采でその作品を観た映画関係者から新作のオファーが2人に舞い込むというオチである。
 出演者たちがカメラに向かって心情を吐露するシーンから怪しい感じはあったが、これは「神」が出てくれば何でも受け入れるクリスチャンに対する皮肉が込められているとしても、そもそも本作を観ている観客をバカにしているとしか思えない。


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『映像研には手を出すな!』

2020-10-14 00:27:50 | goo映画レビュー

原題:『映像研には手を出すな!』
監督:英勉
脚本:英勉/高野水登
撮影:川島周/古長真也
出演:齋藤飛鳥/梅澤美波/山下美月/小西桜子/福本莉子/桜田ひより/浜辺美波/高嶋政宏
2020年/日本

時間が必要な「強い絆」について

 作品前半はそれまで放送されていたテレビの実写ドラマのダイジェストで、それは悪くはないのだが、結局はテレビドラマを見ておかなければ映画は理解しにくいことになり、例えば、クライマックスにおいて映像研が制作した作品を学校の講堂で初披露する際に、メンバーの一人である水崎ツバメの両親が観に来たために主人公の浅草みどりが舞台に立って作品を封印しようとする暴挙に出る意図がよく分からないのではないだろうか。
 さらによく分からないのが浜辺美波が演じる気象研究部の晴子というキャラクターで、それは気象研究部の廃部により危機に陥る同じ部の「ピュー子」と呼ばれる台風を救うためなのであるが、この一連のシーンが必要なのかどうか理解に苦しむのである。
 主題歌の「ファンタスティック3色パン」は全盛期のプッチモニを彷彿とさせて悪くはない。配信イベントの最後の方で3人が歌っている。


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英文より気になる「仏文」について

2020-10-13 00:50:56 | Weblog


(2020年10月9日付毎日新聞朝刊)

 菅義偉首相がツイッターに書き込んだ、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領夫妻への英文の見舞いのメッセージに対して自民党内から「英語のレベルがあまりに低い」と批判されているのだが、これは具体的に指摘しなければ誰でも文句だけなら言えるのではないだろうか。だからここでは引用した上で問題を指摘しておきたいと思う。10月3日付の菅首相のツイッターからである。

「親愛なるトランプ大統領へ、
貴大統領とメラニア夫人がコロナに感染したとのツイートを見て心配しましたが、お二人が速やかにコロナを克服し、日常を取り戻すことを祈っています。」

 次に上の文章の英訳である。

「Dear President Trump,
I was very worried about you when I read your tweet saying that you and Madam First Lady tested positive For COVID-19. I sincerely pray for your early recovery and hope that you and Madam First Lady will return to normal life soon.」

 正直、何が問題なのかよくわからない。例えば、夫妻の感染を知り「心配した」とする英文が「I was very worried」と過去形になっており、7日の自民党外交部会の出席議員が「今は心配していない、という意味に受け取られる」と指摘しているらしいが、既にそれほど重症ではないことを知っていたのであれば、過去形の方が自然とも言える。敢えて問題な点を挙げるなら「First Lady」の前に「Madam」を付けているところで、マダムはそもそもフランス語なのだからフランス人に使うのならばともかくメラニア夫人は今のスロベニア出身でフランスとは関係が無く、つけるのならば「Mrs」だと思う。
 そもそもトランプ大統領は使っている英語のレベルが「低い」が故に、非エリート層に根強い人気があるのだと個人的には睨んでいる。いずれにしても事実よりも我を通すという点においてはトランプ大統領も菅首相も反知性主義者であるのだから気は合うと思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-201007X671


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「She's The Woman」 Van Halen 和訳

2020-10-12 00:19:27 | 洋楽歌詞和訳

Van Halen - She's The Woman (Official Video)

 ヴァン・ヘイレンの「シーズ・ザ・ウーマン」も和訳しておく。2012年にリリースされた

「ア・ディファレント・カインド・オブ・トゥルース(A Different Kind Of Truth)」に収録されている。

ヴァン・ヘイレンがリリースした最後のシングルである。意外と解釈は難しい。

「She's The Woman」 Van Halen 日本語訳

現金は少々足りないが
俺の運は上昇中だ

俺はおまえのために輝く集配用の小型トラックに乗る騎士になりたい

俺は夏の別荘用のシボレーに乗って
パーティーを始めるんだ

俺が別に持つマンションは
街を率いているように見える

彼女は戸口のベルにメッセージを見た
「それを持ってきていないのならば呼び鈴を鳴らさないで」
と書かれていた

彼女こそその女性だ(続けろ)
彼女こそその女性だ
彼女こそその女性だ
彼女こそその女性なんだ

運命が俺のポン引きだが
彼女はクールだった

もしもおまえが俺と手を組んで仕事をするならば
何がおまえをその気にさせるんだ?

カサブランカ・ジンが置いてあるもぐり酒場か?
おまえは気難しい廃人だ

おまえの知能指数は14ポイント急落し
おまえの怒号はおまえの首を革ひもで締める

この歌は下品ではない
これが俺たちの歌い方なんだ

彼女こそその女性だ(歌え)
彼女こそその女性だ
彼女こそその女性だ
彼女こそその女性なんだ

彼女は明日の朝に後悔するような何かが欲しかった

郊外にある3人が共有するガレージは調査するだけの価値はあった

どれも夢は叶うが既視感のあるものだ

その時までに俺の夢はいつも通りに叶うのだが
もはやそれは俺ではない

彼女は戸口のベルにメッセージを見た
「あなたはそれを持ってきていた方がいいが
それを持ってきていないのならば呼び鈴を鳴らさないで」

彼女こそその女性だ
彼女こそその女性だ
彼女こそその女性だ
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/rollingstonejapan/entertainment/rollingstonejapan-34732


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