MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『シカゴ7裁判』

2020-10-20 00:13:43 | goo映画レビュー

原題:『The Trial of the Chicago 7』
監督:アーロン・ソーキン
脚本:アーロン・ソーキン
撮影:フェドン・パパマイケル
出演:サシャ・バロン・コーエン/エディ・レッドメイン/ジェレミー・ストロング/ジョセフ・ゴードン
2020年/アメリカ

最後のオチの弱い「法廷劇」について

 そもそも「シカゴ・セブン」とは1968年にヴェトナム戦争反対の意を示すためにイリノイ州シカゴの民主党全国大会に押しかけた人々の内の、「青年国際党(イッピー)」のメンバーのアビー・ホフマンとジェリー・ルービン、「ベトナム戦争終結に向けた全米動員委員会(The MOBE)」のトム・ヘイデンとレニー・デイビス、ガンジーの非暴力主義を掲げる平和主義者のデヴィッド・デリンジャー、反戦活動家のジョン・フロイネスとリー・ウェイナーである。もともとはブラック・パンサー党のボビー・シールも加えて「シカゴ・エイト」と呼ばれていたが、ボビー・シールは重なる法廷侮辱罪の末、裁判から切り離されることになるのだが、今では考えられないその過程も描かれている。法廷内でシールを拘束し猿轡をはめた裁判官のジュリアス・ホフマンは罰せられている。
 当初、8人は共闘して民主党全国大会に押しかけたと見なされていたようで、それは裁判で疑いが晴れているのだが、市民のデモが過激化した要因は集会で仲間が警官に暴行されている場面を見たトム・ヘイデンが怒りにまかせて参加者を煽った面もあったようである。
 ラストシーンはフィクションだと思うが、法廷内で「反戦運動」を果たしたということが本作の醍醐味でカタルシスをもたらすのだと思う。しかしよくよく考えるならば裁判官が止めればいいだけの話でこのオチは弱いと思う。
 デモの参加者にアレン・ギンズバーグもいたようだが、当時42歳のギンズバーグはあまり歓迎されていないように見えた。
 それにしてもデリンジャー(Dellinger)とデリンジャー(Derringer)の発音の違いが全く聞き分けられなかった。
 セレステの「ヒア・マイ・ヴォイス」を和訳しておきたい。

「Hear My Voice」 Celeste 日本語訳

私の声を聞いて
私の夢を聞いて
私たちを私が信じる世界にさせて欲しい

私の言葉を聞いて
私の叫びを聞いて
私の目を通じて私に変化を見させて欲しい

私の声が聞かれることはないと
あなたは信じているかもしれない
それでも私は手を挙げて
これらの言葉を
炎の言葉を
希望の言葉を
欲望の言葉を広げるつもり
どうかそれらの言葉を自由にして欲しい

私の声を聞いて
私の夢を聞いて
私たちを私が信じる世界にさせて欲しい
私が信じるものに

私の言葉を聞いて
私の選択を聞いて
私の声を聞いて欲しい

Hear My Voice (Official Video) | From The Trial of the Chicago 7 on Netflix October 16


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