MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

英文より気になる「仏文」について

2020-10-13 00:50:56 | Weblog


(2020年10月9日付毎日新聞朝刊)

 菅義偉首相がツイッターに書き込んだ、新型コロナウイルスに感染したトランプ米大統領夫妻への英文の見舞いのメッセージに対して自民党内から「英語のレベルがあまりに低い」と批判されているのだが、これは具体的に指摘しなければ誰でも文句だけなら言えるのではないだろうか。だからここでは引用した上で問題を指摘しておきたいと思う。10月3日付の菅首相のツイッターからである。

「親愛なるトランプ大統領へ、
貴大統領とメラニア夫人がコロナに感染したとのツイートを見て心配しましたが、お二人が速やかにコロナを克服し、日常を取り戻すことを祈っています。」

 次に上の文章の英訳である。

「Dear President Trump,
I was very worried about you when I read your tweet saying that you and Madam First Lady tested positive For COVID-19. I sincerely pray for your early recovery and hope that you and Madam First Lady will return to normal life soon.」

 正直、何が問題なのかよくわからない。例えば、夫妻の感染を知り「心配した」とする英文が「I was very worried」と過去形になっており、7日の自民党外交部会の出席議員が「今は心配していない、という意味に受け取られる」と指摘しているらしいが、既にそれほど重症ではないことを知っていたのであれば、過去形の方が自然とも言える。敢えて問題な点を挙げるなら「First Lady」の前に「Madam」を付けているところで、マダムはそもそもフランス語なのだからフランス人に使うのならばともかくメラニア夫人は今のスロベニア出身でフランスとは関係が無く、つけるのならば「Mrs」だと思う。
 そもそもトランプ大統領は使っている英語のレベルが「低い」が故に、非エリート層に根強い人気があるのだと個人的には睨んでいる。いずれにしても事実よりも我を通すという点においてはトランプ大統領も菅首相も反知性主義者であるのだから気は合うと思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/jiji/politics/jiji-201007X671


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