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 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

菅首相の政治家としての覚悟の「無さ」について

2020-10-26 00:18:29 | Weblog


(2020年10月21日付毎日新聞朝刊)

 菅義偉首相が野党時代の2012年に刊行した単行本『政治家の覚悟』を改訂した新書では、旧民主党政権が東日本大震災時に、会議で十分に議事録を残していなかったことを批判し、「千年に一度という大災害に対して政府がどう考え、いかに対応したかを検証し、教訓を得るために、政府があらゆる記録を克明に残すのは当然で、議事録は最も基本的な資料です。その作成を怠ったことは国民への背信行為」などと断じていた部分は削除されたらしい。どの口が言っているんだという感じだが、ここで問題となるのはそういうことではないと思う。議事録の改竄や隠蔽、証拠隠滅などは安倍政権からの常套手段でいまさら驚くべきことではないからである。
 『政治家の覚悟』を出版した文春新書編集部はこの件に関して「官房長官時代のインタビューなどを加えて新たに編集したものであり、特定の文言の削除を意図したものではありません。本の総ページ数など全体のバランスを考えた上で、編集部の判断で割愛しました」と回答している。ここで思い出すのは先日の日本学術会議の任命拒否問題である。菅義偉首相は、6人が除外された99人分の推薦者名簿を決裁直前に見ただけで105人全員分の推薦者名簿は見ていないと発言しており、6人を除外したのは杉田和博官房副長官ということなのである。
 つまり菅義偉首相はいざという時には責任を文春新書編集部や杉田和博官房副長官になすりつけられるように用意は周到なのである。自ら立候補して国のトップに立っていながら何としてでも責任だけは逃れようとしている男をどのようにして信用すればいいのだろうか?
 『政治家の覚悟』とは菅首相の政治家としての覚悟の「無さ」が書かれているのだと思う。
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/dailysports/entertainment/20201022122


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