原題:『Mid90s』
監督:ジョナ・ヒル
脚本:ジョナ・ヒル
撮影:クリストファー・ブローヴェルト
出演:サニー・スリッチ/キャサリン・ウォーターストン/ルーカス・ヘッジズ/ナケル・スミス
2018年/アメリカ
アメリカにおけるスケートボードの重要性について
どこかで観たことがあると思っていたら、ドキュメンタリー映画ではあるが『行き止まりの世界に生まれて』(ビン・リュー監督 2018年)と同様にスケートボードをモチーフにした作品で、例えば、主人公のスティーヴィーが仲間を作るきっかけはスケートボードで、弟を交通事故で失い家に閉じこもっていたレイを外出させるために親友のファックシットがスケートボードで誘うのを見ても、スケートボードはアメリカにおいて仲間をつくる重要なアイテムの一つなのかもしれない。
しかしスティーヴィーが「ギャップ」に失敗して転落したことをきっかけにルーベン、レイ、ファックシット、フォース・グレードたちの仲間に「正式」に加えてもらったにも関わらず、グループ内の自分の立場を脅かす存在になったスティーヴィーを歓迎できないルーベンとは却って関係がぎくしゃくしだし、プロのスケートボード選手と談笑しているレイとそれを快く思えないファックシットの仲も険悪になるところがグループの関係の難しさであろう。
靴下も買えないほど困窮しているフォース・グレードがハンディカメラを持って撮影しているのが納得しかねるところではある。
作品内で使われていたモリッシーの「ウィル・レット・ユー・ノウ」を和訳しておきたい。
「We'll Let You Know」 Morrissey 日本語訳
僕たちはどのようにして悲しむのか?
僕たちはどのようにして悲しんできているのだろうか?
僕たちは君に知らせるつもりだ
僕たちは君に知らせるつもりなんだ
でも君が本当に興味があればの話だけれど
今まで僕たちがどのように死なずにいれたのか
君は不思議がっている
僕たちは君に知らせるつもりだ
僕たちは君に知らせるつもりなんだ
でも君が本当に興味があればの話だけれど
僕たちは全員で笑い
そして、正直に、僕は誓うけれども
それは僕たちに敵意をもよおさせる回転式改札口のようなものだ
僕たちは自分では抵抗できない者たちを急襲するんだ
僕たちが歌う歌は
大した意味を持っているわけではない
僕たちは冷たいように見えるかもしれない
僕たちは君が今まで知り合ったなかで
最も重苦しい人物なのかもしれない
悲惨なことに僕たちは心に残したものを知っている
僕たちは君が今まで知り合ったなかで
最後の本物の英国人なんだ
僕たちは君が今まで知り合ったなかで
最後の本物の英国人なんだ
君は決して知りたくはなかっただろうが
Morrissey - we'll let you know (live)