MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『パヴァロッティ 太陽のテノール』

2020-10-08 01:30:55 | goo映画レビュー

原題:『Pavarotti』
監督:ロン・ハワード
脚本:マーク・モンロー
出演:ルチアーノ・パヴァロッティ/アンドレア・グリミネッリ/プラシド・ドミンゴ
2019年/イギリス・アメリカ

スーパースターがどうしても避けられない「女難」について

 残されたフィルムと親族を含む関係者のインタビューで構成されている本作を観る限りは、神経質なところはあり、姉たちに囲まれて育ち、パヴァロッティ自身も4人の子供は全員女の子で、その人懐っこい性格が災いしたのが浮気の問題で、ソプラノ歌手として声楽を勉強していたマデリン・レニーを秘書として雇いながらステージに立たせ、マデリンとは浮気だけで終わったが、ニコレッタ・マントヴァーニとは34歳差があったが2003年、68歳の時に結婚してアリスという娘も儲けている。
 しかしそれ以外に関しては「ハイC」と呼ばれる高音を高らかに響かせテノール歌手としての実力は申し分なく、オペラというジャンルを超えてU2と組んで曲をリリースしたり、ポップスやロック歌手と野外コンサートを開催したり、慈善コンサートや後進の育成にも熱心だった。
 さらに目立たないところでも、自身が12歳の時に破傷風を患い死にかけた経験もあって、三女のクリスティーナが病気になった時には仕事をセーブして看病し、ライバルのホセ・カレーラスが白血病を患った時も復帰に一役買い、結婚したばかりのニコレッタが難病で病に臥せっても見放すことはなかったのだから、スーパースターの名に相応しい優男だったのではないだろうか。


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