原題:『Skyscraper』
監督:ローソン・マーシャル・サーバー
脚本:ローソン・マーシャル・サーバー
撮影:ロバート・エルスウィット
出演:ドウェイン・ジョンソン/ネーヴ・キャンベル/チン・ハン/ローランド・ムーラー
2018年/アメリカ
テクノロジーの発達と比例するドラマの劣化について
冒頭の10年前の主人公でFBIの制圧部隊隊長のウィル・ソーヤーが背を向ける犯人に対峙するシーンとクライマックスにおいてウィルが同様に背を向けるテロリストのリーダーであるコレス・ボーサと対峙するシーンを対比させることで伏線を回収するところなどそれなりに出来は悪くないのであるが、香港にある「パール」と呼ばれる世界一高い超高層ビルから火災が起こり、98階にある自宅に燃え広がろうとしているのを見たウィルが、左足が義足であるにもかかわらず、火災でエレベーターが止まっているために傍のビルの鉄骨を伝って楽々と登っていくことに、スパイダーマンのようなスーパーヒーローならともかくどうしても違和感を持ってしまう。
それに何といっても、確かにロジックとしては間違っていないのではあるが、摩天楼の大火災がタブレットの「再起動」で解決してしまう呆気なさに白けてしまい、これでは『タワーリング・インフェルノ』(ジョン・ギラーミン監督 1974年)のような人間ドラマには遠く及ばないと思う。