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医大生・たきいです。

医大生的独言。

喫煙シーンの話

2016-02-01 23:59:59 | 医大生的生活

ブロガーの皆様は誰しもがレスポンス早いので毎度感心してしまいます。携帯触っている時間が長いだけからかもしれませんが(笑)。医大生・たきいです。




WHOは、映画やドラマの喫煙シーンは若者を喫煙に誘導する効果が高いとして「成人向け」指定する措置を各国政府が講じるよう勧告した――

「症例のほぼ100%に喫煙歴のある疾患を挙げよ」と問われて「Buerger病」「Langerhans細胞組織球症」を答えさせる問題は米国の医師国家試験で頻出らしい。他にも100%ではないにせよ喫煙と濃厚に関連のある疾患として、「肺癌」「COPD」「食道癌」「喉頭癌」「急性好酸球性肺炎」などなどひいては死に至ることもある病気の名前が並ぶ。医療業界において喫煙は絶対的に悪である。

昔はタバコを吸う医学部の学生も少なくなかったらしいが、今では肩身の狭い存在となってしまっているように思う。現状吸っている人は吸っているにせよこれからますます減っていくことは間違いなさそうだ。医療業界を志す若い世代はほとんど吸っていない。

一昔前までイケてる人の象徴であったであろうタバコも、今では残念なイメージが先行してしまう。時代が変わってきた。

裸体とタバコの描写を同列にしてしまうことに違和感を覚える。映画やドラマという芸術の領域で「清廉潔白」を求めることは行き過ぎてはいないか。かつて「タバコの煙が国を支えている」ような時代があった。歴史を考えるとき、そうした社会背景を無視しては深い考察には行き届かないであろう。消費者の害悪を明確にすることはよいとしても、生産者側を放っておいていいものか。

タバコは百害あって一利なし、これは不変の事実。重々承知しているので私自身は死ぬまでタバコを吸うつもりはない。ただ、こうしたエビデンスを表現への制約と結びつけてしまうとややもすれば科学の暴力とつながりかねない危険をはらんでいることには自覚的であるべきだろう。科学の暴走は核兵器の開発につながったと歴史は語る。今こそ哲学的思考を取り入れるときである。





(WHOのシュガーガイドライン2015は厳しすぎると思う人(笑))