第46代NWA世界チャンピオン、
テキサスの若馬ことドリー・ファンク・ジュニア。
プロレスラーのドリー・ファンク(シニア)の長男として
二男のテリーと共に幼いころからプロレスの英才教育を受けて育ったドリー。
その甲斐もあって史上初の兄弟揃っての
NWA世界チャンピオンにまで上り詰めました。
マンガの『タイガーマスク』(原作 梶原一騎/画 辻なおき)では
世界最高峰のレスラーとしてタイガーマスクの最後の相手を務めました。
若き日の猪木と死闘を尽くした60分フルタイム戦は、
猪木のベストバウトのひとつとして数えられています。
得意技はファンク家の伝家の宝刀、スピンング・トーホールド
大きな弧を描く、ダブルアーム・スープレックス
エルボー・スマッシュの使い手としても有名です。
弟テリーとのコンビ『ザ・ファンクス』は日本でも絶大な人気を誇りました。
外人では稀有なベビーフェイスとして、
70年代後半には実質的な全日本のエースに君臨。
中でも77年のオープンタッグリーグでのブッチャー、シーク組との死闘は、
プロレス史に残る名勝負として今も語り継がれています。
ボクが見ていたころには、すでに円熟期に差し掛かっていたドリー・ファンク。
脂の乗りきったブロディ、ハンセンのパワーに苦戦する印象が強かったです。
若くして頭髪が薄かったドリーは年齢よりも老けて見え、
見ていて痛々しく思えたモノです。
若いチカラに押されるドリー、中年サラリーマンの哀愁のような、
なんとも言えない味わい深さがありました。
試合が進むにつれ、身体が紅潮し、ロープの当った場所だけが白く浮き上がったり、
ショートタイツの上にはお腹の肉がたぶついていたり、
内股気味の長い足など、プロレスラーらしからぬ風貌でしたが、
なぜかとてもカッコよく思えました。
(往年の二枚目俳優が、年を重ねてさらに魅力を増したような・・・)
華があり感情を剥き出しにする弟テリーに対し、
常に冷静でクレバーな印象の兄ドリー。
理想のお兄ちゃん像そのモノではないでしょうか。
試合巧者、いぶし銀、インサイドワークに長けた、
などの言葉がとてもよく似合うレスラーでした。
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