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『楊令伝』 北方謙三 著

2017年03月11日 | 読書

北方謙三さんの『水滸伝』の続編である、
『楊令伝』(集英社 刊)全15巻を読み終えました。

水滸伝で登場した北方水滸伝オリジナルキャラクターの
楊令(青面獣楊志の遺児)を主人公に禁軍に敗れた梁山泊の残党が再結集し、
再び童貫率いる禁軍と戦い勝利し、理想の国づくりを目指す話です。

印象深いのが、物語の前半に登場する江南の宗教集団を率いる方臘。
「喫菜事魔」の教えを説き、
熱狂と陶酔を利用して王になるために叛乱を起こします。

死をも恐れず度人(どじん)と叫び、屍を踏み越え、
行進する数十万の民は、百戦錬磨の童貫をも恐れさす破壊力。

読んでいるとこの方臘の魅力に惹き込まれそうになります。
梁山泊の立て直しの時間稼ぎのため、軍師として潜入していた呉用(趙仁)が
方臘と死を共にしようとしたのも頷けます。

ボクが『教団X』に期待していたのはまさにこのカリスマ性です!

そして北の阿骨打がつくった女真族の国・金国。
宋との盟約によって遼を落とし、
梁山泊が童貫を討った直後、会封府をも落とし宋を滅ぼします。

この金国がちっとも強そうに思えません。
阿骨打と幻王(楊令)が女真族を統一するために熟女真を殺戮していた
ときの怖さは影を潜めてしまい、
ただただ広過ぎる領地にあたふたするばかりの印象です。
魯智深を捕らえたときの話の通じない異国の怖さや野蛮さ、
傍若無人な振る舞いをもっと発揮して欲しかったですね。

次はいよいよ『大水滸』のトリを飾る『岳飛伝』に突入します!
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