ブータンの国是は、GNP(国民総生産)の右肩上がりを前提とする、「近代国家」とは異なっている。GNH(Gross Ntional Happiness)国民総幸福を背骨とする国家形成を目指している。
オバマの就任演説に、昨秋よりの金融危機、破綻は、強欲資本主義も一因と言っていた。とにかく短期に儲けるが勝ち、というありかたの結果が、今の荒涼とした世相の姿だろう。
人間は、動物と異なり社会的存在だ。言い換えれば「分かち合うことのできる存在」だ。資源、環境問題、そして安定し、充足した世界を目指すのには、このGNH(人間の幸福感、充足感を人類の進歩の機軸とする)のものさしをもたないと、人類の未来は見えてこない。
このGNHは精神的の言葉で、経済の成長指数にはなじまぬ、という意見は当然ある。しかし、永遠の右肩あがりのGNPもありようがなく、矛盾でもある。こんな思いが、今の辛い時代の中から、たち揚がってくるような気がする。