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熱帯のフランス。

2007-07-16 00:44:40 | パリ
日本は南北に長い。だから北と南では大きな気候の差がある。そう言われていますね。では、フランスは・・・別名l'Hexagone(六角形)といわれるフランス、東西南北に広がりはありますし、それなりに気候は異なりますが、日本ほどではないような気がします。

でも、今年から天気予報で、この六角形の国土以外に、いくつかの島々、地域の天気予報も紹介するようになっています。これらの島々と地域の気候は差が大きい。パリが春を迎えているとき、片や0度以下、片や30度を越えている。そして、それらすべてが、フランス。フランス、実は、広い!



その広いフランスの海外県の一つ、レユニオン島がサン・ジェルマン・デ・プレ教会近くで観光プロモーションを行なっています(22日まで)。

海外県・・・そうです、植民地の名残で、フランスには今でも海外領土がある! それらの海外領土、3種類に分類されています。

海外県(Departements d'outre-merで略称DOM)といわれるのが4県。2003年からは海外地域圏(Regions d'outre-mer:ROM)に格上げされ、海外地域圏兼海外地域県という「けんけんけん」になっています。カリブ海のグアドループとマルティニーク、南米のギュイヤンヌ(ギアナ)、インド洋のレユニオン。

次が、海外準県(Collectivite Departement)が一つ。インド洋のマヨット。

そして、海外領土(Territoires d'outre-mer:TOM)で、北大西洋のサンピエール島とミクロン島、オセアニアのウォリス・フツナ諸島、フランス領ポリネシア、ヌーヴェル・カレドニ(ニュー・カレドニア)島、カリブ海のサン・マルタン島とサン・バルテルミー島。

さらに、これら以外に無人島をいくつか持っています。

上記のいずれもがフランスですから、当然フランス語教育が行なわれ、同じように選挙も行なわれています。ヴァカンスでちょっと地方へ・・・その「地方」がカリブ海だったり南太平洋だったりするんですね。本土が冬のときに、南半球では、夏。ヴァカンスにはもってこいですね。

ただし、これらの島々や地域、中には風土病のあるところもあり、観光客が激減したりすることがあります。去年はじめ、レユニオン島では蚊を媒介とする伝染病(チクングンヤ熱)が発生。どうやら収まったようですが、観光客を呼び戻すためにこうした観光キャンペーンが必要になっているのでしょうね。


(インフォメーションセンター。観光案内用パンフレットを配布したり、質問に答えてくれます)

このレユニオン島、マダガスカルから東へ500kmのインド洋上にあり、広さは2,512㎢、人口72万人。白人と黒人の混血・クレオールが64%、インド人28%など。サトウキビが主要産品。


(売りは、青い海、豊かな自然、コロニアル調の建物、トロピカルフルーツなど)

歴史は、1507年にポルトガル人が「発見」、1640年にフランス人が上陸して、フランス領であることを宣言。ブルボン朝に因んでブルボン島。フランス革命で、レユニオン島に名称変更。ナポレオン1世治下、ボナパルト島に。イギリス領になりブルボン島の復活。フランス領に戻りレユニオン島に。本国の内紛や大国同士の争いで、いいように名前を変えられてきたようです。


(農産品や加工製品の即売)

住民も、アフリカから多くの奴隷がつれてこられたようで、それとフランスからの白人、後にインド人、中国人が加わったとか。奴隷制は1848年に廃止されています。


(民族楽器の販売と演奏)

この島の空港の通称は、ローラン・ギャロス空港。ローラン・ギャロス・・・どこかで聞いたことないですか。そうです、テニスの全仏オープンの会場。ローラン・ギャロスとは、レユニオン島出身の飛行家の名だそうです。それが、どうして、テニスに? 当然の疑問ですよね。


(食品の展示即売、脇にはいす・テーブルも用意され、簡単なカフェテリアに)

ローラン・ギャロス(1888-1918)。はじめて地中海の横断飛行に成功した冒険飛行家で、第一次大戦におけるフランス空軍のエースパイロット。一時ドイツ軍の捕虜になるも、収容所から脱走し、再び操縦桿を握る。しかし、1918年撃墜され空に散る。

そして、1920年代、テニスのフランス選手権を世界のプレーヤーに門戸を開いたフレンチ・オープンにするにあたり、新しい会場が必要になった。その際、土地を譲渡した名門テニスクラブ「スタッド・フランス・クラブ」の元会員だったのが、ローラン・ギャロス。彼の功績を讃えてその名を会場名に冠することになったそうです。


(レユニオン島のTV局も取材に)

な~るほど、私にとっては初耳でした。サン・ジェルマン・デ・プレ教会脇での観光プロモーションから、テニスの全仏オープンへ。話は思わぬ方向へ「飛んで」しまいましたが、これも「冒険飛行家」の導きだったかもしれないですね。

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コメント
 
 
 
フランス語を話す現地の人 (シエナ)
2007-07-16 09:44:28
takeさま
 以前、旅行で行ったタヒチで、少しだけフランス語が話せる父が、現地の人に話しかけたら大喜びされたことを思い出しました。どこの領土なのか、なんて考えもしないで行った自分を「これではいけない」と思い、以来、海外に出かけるときは、ガイドブックでざっと歴史を読むくらいはしよう、と。まさしく「付け焼刃」ですが(^m^;)ちょっぴり旅行に深みが増したような…。
 
 
 
タヒチ (take)
2007-07-16 16:16:54
シエナさん

タヒチ!昔、27年前に行きました。たしか、黒い砂(砂利)の海岸だったような記憶があります。ゴーギャン通りがあり、どの道にもきちんと名前が。ゴーギャン美術館もありますが、作品は、当然フランス本国に。そしてなにより、地元の人たちが、ゴーギャンの絵に出てくる、そのままだったのを覚えています。

付け焼刃・・・それは、私のことです!ちょっと調べては、すぐ忘れてしまう。なかなか教養が深まりません。深まるのは、毎年秋だけです。
 
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