strong>秋の暮水のやうなる酒二合 村上鬼城
晩秋、時に冬の近づきを感じる季節である
しみじみと来し方をふりかえる
たくさん出会いと別離
歓喜も挫折も、悔恨もあったが
振り返ればみな平らにも感じる
長いようで短い人生
晩秋、私の人生も秋の暮れに
確実に入り込んでいる
今宵の酒は妙に薄く感じるのは何故なのだろう
(小林たけし)
秋の暮】 あきのくれ
◇「秋の夕暮」 ◇「秋の夕」
かつては、秋の日の暮れ方、或いは、秋の終りと受け取ったり、また両義を内包しながら曖昧に用いられたりした。今は大方、「秋の夕暮」の意で用いられ、秋の終りをいう「暮の秋」と区別している。『枕草子』でも「秋は夕暮れ」としているように、日本人は秋の夕暮や夜には特別な趣を感じ取り、実に多くの句や歌が詠まれている。
例句 作者
此道や行人なしに秋の暮 芭蕉
乗り替へるだけの米原秋の暮 北川英子
山見ても海見ても秋の夕かな 一茶
一人湯に行けば一人や秋の暮 岡本松濱
オルガンの踏板に似る秋の暮 土肥幸弘
夢さめておどろく闇や秋の暮 水原秋櫻子
秋の暮業火となりて秬は燃ゆ 石田波郷
秋の暮灯してくらきもやひ舟 熊木斗志郎
膝抱いて顔もてあます秋の暮 岡本 眸
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