おぼろ夜の鬼ともなれずやぶれ壺 加藤楸邨
「やぶれ壺」が分からないとどうのも困る
私は由来も時代考察も不明の古壺として鑑賞した
そこはかとない物憂い春の宵
部屋の隅(床の間でもよい)にこの壺がある
何か言いたげに思えてきた
この壺は骨壺だったのかもしれない
まだ往生していないのだ
(小林たけし)
私は由来も時代考察も不明の古壺として鑑賞した
そこはかとない物憂い春の宵
部屋の隅(床の間でもよい)にこの壺がある
何か言いたげに思えてきた
この壺は骨壺だったのかもしれない
まだ往生していないのだ
(小林たけし)
【朧】 おぼろ
◇「朧夜」(おぼろよ) ◇「草朧」 ◇「鐘朧」 ◇「影朧」 ◇「家朧」 ◇「谷朧」 ◇「橋朧」 ◇「庭朧」 ◇「灯朧」(ひおぼろ) ◇「朧めく」
春は大気中に水分が多いので、物の姿が朦朧とかすんで見える。朧は霞の夜の現象である。ほのかなさま。薄く曇るさま。
例句 作者
おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ 加藤楸邨
おぼろ夜の潮騒つくるものぞこれ 水原秋櫻子
おぼろ夜の霊のごとくに薄着して 能村登四郎
おぼろ夜や旅先ではく男下駄 あざ蓉子
朧夜のどの椅子からも子が消える 松下けん
朧夜のむんずと高む翌檜 飯田龍太
朧夜の船団北を指して消ゆ 飯田龍太
朧夜や久女を読みて目を病みぬ 久保田慶子
おぼろ夜のかたまりとしてものおもふ 加藤楸邨
おぼろ夜の潮騒つくるものぞこれ 水原秋櫻子
おぼろ夜の霊のごとくに薄着して 能村登四郎
おぼろ夜や旅先ではく男下駄 あざ蓉子
朧夜のどの椅子からも子が消える 松下けん
朧夜のむんずと高む翌檜 飯田龍太
朧夜の船団北を指して消ゆ 飯田龍太
朧夜や久女を読みて目を病みぬ 久保田慶子
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