竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

生き下手とひとりで決めて新酒酌む 大須賀善和

2020-08-21 | 今日の季語


生き下手とひとりで決めて新酒酌む 大須賀善和

作者は自分を生き下手といいながら
自分の来し方を振り返って
充分に肯定していることが分かる
星雲の志は叶うはずもないのだが
それは決して間違いではなかった
作者の晩節を思う感懐であろう
共感できるところだ
(小林たけし)


【新酒】 しんしゅ
◇「今年酒」 ◇「新走」 ◇「利酒」(ききざけ)
新米で醸造した酒。かつては収穫後の米をすぐ醸造したため、新酒は秋季であった。現在では寒造りで秋に造られることはない。

例句 作者

あらばしり幸福語らしめる夜 赤野四羽
けったいな先生やねん新走り 鈴木明
今年酒小匙一杯半ほどの酔ひ 安田雪松
告白は新酒の力借りてせり 遠藤古都女
新酒酌む泉下のひとと語るべく 近藤栄治
新酒酌む透明にひろがる原野 髙尾日出夫
新酒醸すガーゼのようなともしびに 今田清乃
日の光りあふるる市街新酒の荷 國定義明
生き下手とひとりで決めて新酒酌む 大須賀善和
羅漢午次郎偲ぶ上総の新走り 吉田笑
越後より嘘つきにくる新走 藤田守啓
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