竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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馬といて炭馬のこと語るもよし   兜太

2018-07-08 | 金子兜太鑑賞
馬といて炭馬のこと語るもよし   兜太




平成13年、「東国抄」より。

蛇笏賞の「東国抄」より。
あとがきに、じぶんのいのちの原点である秩父の山河、
その産土の時空を、
心身込めて受け止めようと努めるようになった・・・とある。
みやびより大地にどっしり根ざしたものをと言うのが
兜太さんの作句姿勢なのである。
季語は「炭馬」の炭から、冬であろう。
それにしても、「馬といて炭馬のこと語るもよし」とは、
読んで、なんと力みのない、
大かさであろうか。味わい深い。
「馬といて」の馬とは、今日では競走馬とか、観光馬なのかもしれない。
馬の傍で、昔の炭馬の話をしようというもの。
炭馬とは炭を運ぶ馬のこと、
人がその馬の手綱を引き、馬と共に歩くのである。
人間と馬の、素朴な心通わせる関係があり、
それを思い出して「語るもよし」という、
そこには穏やかな産土の時空がある。しみじみとする句である。
「炭馬」という澄んだ響きも良いなあって思う。


参照 http://www.shuu.org/newpage24.htm

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