竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

川の水澄み言の葉にある虚実 長井寛

2020-10-05 | 今日の季語


川の水澄み言の葉にある虚実 長井寛

掲句は澄んだ川の水と
自分の口から出る言葉を比しての述懐か
あまりのも澄んだきれいな川の流れ
そして己の言葉の虚しさを切なく思う
(小林たけし)


【水澄む】 みずすむ(ミヅ・・)
秋は夏に比べ水が澄んでくる。夏の間濁っている沼なども、底の石まで透けて見える。河川、湖沼、池から井戸水まで水が澄む。

例句 作者

正装の魚ぞくぞく水澄める 吉住光弥
水といふ水澄むいまをもの狂ひ 上田五千石
水澄みて四方に関ある甲斐の国 飯田龍太
水澄みて水の底より鬨の声 小高桂子
水澄みて雲流れゆく梓川 柳下美砂枝
水澄みにけり読み書きは朝のうち 下田稔
水澄むや川面に浮かぶ鬼の貎 高林文夫
水澄むや底に岡本太郎の目 岡本久一
水澄むや錆びたる鎌にものいうて 高見道代
水澄めり 石の丸みと石の過去 鷲山千晴
水澄んで怪談多き城下町 内田庵茂
水澄んで段差になつてをりし父 大石雄鬼
澄みてなほ水の逡巡ありにけり 三田きえ子


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