竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

喪主といふ妻の終の座秋袷 岡本眸

2020-09-03 | 今日の季語


喪主といふ妻の終の座秋袷 岡本眸

秋袷は季節のうつろいの儚さを本意とする季語
掲句は女主人の立ち位置の変わりように哀れを詠んでいる
妻の終の座
見事な措辞に身をつまされる
(小林たけし)


【秋袷】 あきあわせ(・・アハセ)
◇「秋の袷」 ◇「後の袷」
秋になって着る袷のこと。昔は陰暦10月1日、袷から綿入に衣替えをした。和服離れがすすんで実感が薄れたが、季節の変化に合わせた趣向が込められた語である。

例句 作者

つゝましや秋の袷の膝頭 前田普羅
雨の日の客と出でたつ秋袷 原 石鼎
秋袷火の見櫓の鐘しづか 飯田龍太
ちかぢかと富士の暮れゆく秋袷 綾部仁喜
秋袷着て端然と痩せゐたり 日下部宵三
秋袷酔ふとしもなく酔ひにけり 久保田万太郎
啄木のむかしの人の秋袷 富安風生
すれちがい移り香残し秋袷 瀧瀬はる子
木洩れ日の素顔にあたり秋袷 桂信子
秋袷遊びごころはまだ少し 長谷川せつ子
立山に雪ふれば秋袷 本田一杉



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