冬ぬくし海をいだいて三百戸 長谷川素逝
【冬暖か】 ふゆあたたか
◇「冬ぬくし」 ◇「暖冬」(だんとう)
冬は寒い。しかし、二、三日または数日にわたって現れる暖かい陽気はうれしいもので、俳句では多く、こうした気分が詠まれる。
例句 作者
冬ぬくし天平仏に母の笑み 平野無石
親たちばかり暖冬の杉ばかり 齋藤美規
寺の名で寺が探せぬ冬ぬくし 能村研三
そつとして置いてもらへば冬ぬくし 岩上とし子
伎楽面赤き鼻梁垂れ冬あたたか 大谷碧雲居
校庭の柵にぬけみち冬あたたか 上田五千石
母鹿は何時も母の瞳冬ぬくし 豊田ふじを
冬あたたか五十のわれに母在れば 大野林火
墓地といふ冬あたたかきところかな 村上喜代子
暖冬の猫が目につく偶数日 伊藤トキノ
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