竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
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噴水は永久に白髪且つ怒髪 石倉夏生

2020-05-18 | 今日の季語


噴水は永久に白髪且つ怒髪 石倉夏生


永久に白髪且つ怒髪
噴水をじっと見ている時間はどのくらいだったのか
作者はその実景を白髪の比喩でとらえたのだろう
そして且つ怒髪である
ときに収まり突として音を伴って吹き上がる
これを怒髪と捉えたのが作者の感性
読み手の多くが共感するが
なかなか同じ言葉は浮かばない
噴水の怒髪は作者の言葉であり、他人が使用することは出来ない
(小林たけし)


【噴水】 ふんすい
◇「噴上げ」 ◇「吹上げ」 ◇「噴泉」(ふんせん)
公園や庭園の池などに設けられた、水を高く噴き上げる装置またはその水のこと。噴水は年中あるが飛び散る水の飛沫など、その涼しげな味わいから夏の季語とされる。

例句 作者
噴水のこれまでという高さかな 大竹照子
噴水のぼこぼこ意見すれちがふ 増田豊子
噴水の七変化して夜の街 五十嵐迪子
噴水の先端過去へ折れ曲る 松王かをり
噴水の円周鯉のねむられず 星野明世
噴水の強弱時を忘れをり 住田征夫
噴水の水を活けたる眺めかな 田中美智子
噴水の水裏見せて落ちにけり 石口榮
噴水の終りは傀儡冬夕焼 星野明世
噴水の落ちる時間が虹ゑがく ほりうち紗知
噴水の頂点夜が騒ぎおり 大西昇月
噴水は夏目雅子のようであり 植原安治

噴水まで 水中歩く 春の園丁 伊丹公子
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