竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

てんとむしだましに深い空ありぬ 石倉夏生

2020-05-27 | 今日の季語


てんとむしだましに深い空ありぬ 石倉夏生

ぎらごらと照りつく夏空の下
てんとうむしは黙々とその日を営む
おてんようさま」を名にいただいた因果だろうか
おのれの性を疑う様子はみじんもない
難解な句は自分流に分解することにしている
(小林たけし)


【天道虫】 てんとうむし(・・タウ・・)
◇「瓢虫」(てんとうむし) ◇「てんとむし」
テントウムシ科の昆虫の総称。種類が多いがどれも光沢のある半円形の背に、黒、赤、黄色などの様々な斑点を持つ愛らしい甲虫。七星天道を始めその多くは益虫だが、中にはナスなどの葉を食べる二十八星天道(にじゅうやほしてんとう)などの害虫もいる。

例句 作者

天道虫だましの中の天道虫 高野素十
天道虫けふは寝墓に来てねむる 大島民郎
北へ吹く風あり天道虫の飛ぶ 今井杏太郎
てんと虫一兵われの死なざりし 安住 敦
てんと虫一兵われの死なざりし 安住敦
アフリカへぞろぞろてんとむしだまし 四方万里子
伝言は目線の高さてんと虫 加藤つぶら
天道虫だまし己れを欺し生く 吉田未灰
天道虫崩るる納屋の軒低し 中島弥市
天道虫登り詰めれば空がある 野田ゆたか
天道虫石庭の波鮮らしき 出井一雨
指先に風のおもさの天道虫 山元志津香
気分転換ばかりしてゐる天道虫 榊きくゑ
濛々とてんたう虫のとんでゆく 松澤昭
網を持つ子らの手中に天道虫 下野美智子
翅(はね)わつててんたう虫の飛びいづる 高野素十

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