竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

余生という重しをつけて花筏 川崎益太郎

2020-04-06 | 今日の季語


余生という重しをつけて花筏 川崎益太郎

さくら時の喧騒も一瞬で
枝には早きも葉の芽が見える
川面には花の塵が夥しい
花筏とはよくも言ったものだ
作者はじっと長い時間 その筏えお眺めている
老いた我が身の余生を
水面の流れにつっくりと任せている花の塵に準えている
そのあまりにも緩い流れは重しを曳いているようだ
(小林たけし)

【落花】 らっか(ラククワ)
◇「花散る」 ◇「散る花」 ◇「散る桜」 ◇「花吹雪」 ◇「桜吹雪」 ◇「飛花」(ひか) ◇「花屑」 ◇「花の塵」 ◇「花筏」
桜花が散り落ちること。桜は散り際が美しい。桜の咲く頃はとかく強い季節風の吹くことが多く、咲き誇った花も一陣の風に潔く散る。昔から桜は散り際を賞美されることが多かった。


例句 作者

ビルの影映れる上の花筏 岡田初音
人生は急がぬことよ 花筏 池康彦
大観の生々流転花筏 上野草魚子
満潮の河口に解きし花筏 千葉幸江
花筏これより先は神田川 米田真琴
花筏そこから先の未来都市 松下總一郎
花筏やぶつて鳰の顔のぞく 飴山實
花筏よろめきあひて水の旅 伊藤和子
花筏行きとどまりて夕日溜む 宮津昭彦
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