石田波郷の春の句10句を鑑賞(7)
芝焼く火ひろがりて妻隔てけり
墓の間に彼岸の猫のやつれけり
春もはや乙女らを焼く艇庫の日
行春や吾がくれなゐの結核菌
葛飾に歳時記を閉づ野火煙
紙漉の額のしろさよ梅日和
祝婚やミモザのもとに咳こぼし
とまり木に隠れごころや西行忌
春立つて十日の酒をこぼし合ふ
壁の絵の濤みどりなり春嵐
10句の中で表題句を採った芝焼く火ひろがりて妻隔てけり
墓の間に彼岸の猫のやつれけり
春もはや乙女らを焼く艇庫の日
行春や吾がくれなゐの結核菌
葛飾に歳時記を閉づ野火煙
紙漉の額のしろさよ梅日和
祝婚やミモザのもとに咳こぼし
とまり木に隠れごころや西行忌
春立つて十日の酒をこぼし合ふ
壁の絵の濤みどりなり春嵐
最愛の妻との距離を不安に思う
波郷の療養の心細い心境が分かりすぎるほどに分かります
読者はどれを選句しますか
できればコメントを添えて選してくださいませんじか(丈士)