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竹とんぼ

家族のエールに励まされて投句や句会での結果に一喜一憂
自得の100句が生涯目標です

爽気満つぶなの心音いよ高し 流伴

2017-08-22 | 
爽気満つぶなの心音いよ高し 流伴




白神の照葉樹林での感動は今も鮮明だ
屋久島での屋久杉の威容も脳裏に深く刻まれている

秋は古木の充電期のようだ
樹肌に耳を当てればその心音は
あまりにも神々しい


2015年秋の原句 「千年杉秋の心音清しかり」
杉がぶなに変わり
苦労した季語が明確になったか?

湖の秋ひと足ごとに色の濃く 流伴

2017-08-21 | 
湖の秋ひと足ごとに色の濃く 流伴



富士の裾野を一周した経験がある
秋の山中湖
歩く一歩が景色を変える
そのひと足が秋に入り込むようだった

原句は「一歩ずつうつろう景や湖の秋」
旧作を推敲してみている
どうにもならない句もたくさんある
思い切って痕跡ごと
捨てるつもりだ

いつまでも消えぬ風紋浜の秋

2016-11-25 | 
いつまでも消えぬ風紋浜の秋




今は秋 だれもいない海
あのにぎわいの夏の海がすっかり表情をかえている
寂しい砂浜に「風紋」が残っている
若い時代の甘酢っぱい記憶は
消えかかってはまた蘇る


訪問ありがとうございます
ここ数日アクセス数が増加してうれしい限りです
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先達の俳句鑑賞と自身の作品を掲載しています
これからもよろしくお願いいたします


涼新たいよいよ深く埴輪の目

2016-09-26 | 
涼新たいよいよ深く埴輪の目



埴輪の目のなんと不思議な眼差しだろう
見るたび会うたびごとに感動と不思議な癒される感覚をいただく
この季節 彼らの瞳はますます深く
森羅万象をはかなんでいるように感じる

生き抜いてあげる勝鬨法師蝉

2016-09-24 | 
生き抜いてあげる勝鬨法師蝉




法師蟬のあの勝ち誇ったような鳴き声は好きになれない
晩夏のあいさつのようでもあるが
蝉の声にひと夏ぢゅう付き合ってきたので辟易である
夕べへの幕間の時間
虫たちの声が始まると法師蟬は遠慮をわきまえてはいるが

刈り終えばひと日をおかず櫓の芽

2016-09-23 | 
刈り終えばひと日をおかず櫓の芽



i稲刈りが済んだと思ったら
あくる日にはもう青い穂が出ている
櫓田という言葉を知ったのは最近だが
その芽の生える速さは見事というほかはない
あのたわわに実った稲をコンバインは刈り取る
一面の苅田に景色が変わる
日をおかずに櫓の芽
3日もすれば櫓田に変貌
白鷺の舞う秋景色が広がる

駱駝には月が似合うと自衛官

2016-09-22 | 
駱駝には月が似合うと自衛官



中東の終わりのない戦火があいかわらず激しい
日本の自衛官も渦中に呑まれる気配である
後方支援というが
戦地は毎日刻々と移動する
今日の後方は明日は前線なのだ

自衛官のつぶやきが聞こえる

耳伸びて手足の縮む大野分

2016-09-21 | 
耳伸びて手足の縮む大野分



今年の台風はみな大型で雨量は記録ずくめだ
報道によれば将来的にはますます大型化の傾向だという
気象温暖化だけではない宇宙の大きな営みなのかも知れない

台風の風音や報道に耳を伸ばし
その被害状況に手足がすくむ

傍らの愛犬も同じ格好である

秋霖を受けて鮮し大谷川

2016-09-20 | 
秋霖を受けて鮮し大谷川



秋の日光を毎年おとずれる
俳句を始めてからはなんとか一句を詠むようにしている
一昨年は「来し方を諾ひながら照紅葉」
昨年は掲句であった
大谷川が秋の雨を貪るように受けていた
いつもよりも数倍鮮やかな川面にみえた


秋霖や百樹百花のみなねぶる

2016-09-18 | 
秋霖や百樹百花のみなねぶる



秋雨のやわらかな空気がなんとも好もしい
植物園ではたくさんの樹木、数限りない秋の草花が
その恵みを満喫している
自分も同化するような気分がなんとも嬉しい

やはりねむるのではなくねぶりたい

なおざりの罪のよせてくる菊の酒

2016-09-17 | 
なおざりの罪のよせてくる菊の酒



来し方をふりかえれば

たくさんの罪のあれこれが浮かんでくる

他にも我知らずの罪もあるに相違ない

晩年になっての敬老日などでのふるまい酒

子供らからの贈られる酒をいただくが

しみじみとした気分の酔いがまわってくる

戦中戦後おんなじ貌の南瓜かな

2016-09-15 | 
戦中戦後おんなじ貌の南瓜かな



好き嫌いなく何でも喜んで美味しくいただくのだが

南瓜だけは苦手な部類に入る

薩摩芋、とうもろこしもその仲間だ

決してその風味は嫌いではなく食べないことはないのだが

少量で良いことになる

おそらくは戦後の食糧難の時代

嫌というほど食べたのに相違あるまい

まだばれぬ案山子の嘘の一千年

2016-09-14 | 
まだばれぬ案山子の嘘の一千年



日本では縄文時代の終わり頃
およそ2500年前の田圃が発見されているという
案山子のデビューは明らかではないが
鳥から種を守るための工夫は
少なくとも1000年以上の歴史はありそうだ
そろそろこの嘘も鴉や雀にばれたような気配もある

つなぐ夢木の葉にかくる疣毟

2016-09-13 | 
つなぐ夢木の葉にかくる疣毟



かまきりをいぼむしりと呼んで疣毟をあてる

その由来に明るくないがなんとも相応しく感じる

保護色という見事な技を備えている

枯葉のなかに潜んでいることがよくあるが気づくことは少ない

命を守る知恵の尊とさに感動する

秋団扇とぎれとぎれの会話かな

2016-09-11 | 
秋団扇とぎれとぎれの会話かな



夫婦ふたりの生活が長くなっている
初期のころはたくさんの会話があり
その会話のなかから旅行の計画ももちあがったりした
小さな孫たちの話にも花が咲いたものだった



旅行も最近は新鮮味がなくなって保養が中心
孫も大きくなって話題の中心にはいない



健康と尋常をただ願うばかりの日常がつづいている
会話もとぎれとぎれで、発展飛躍は思うべくもない



これが決して不満ではないのも寂しい気分だ