高槻成紀のホームページ

「晴行雨筆」の日々から生まれるもの

私の著書

2018-07-01 05:05:31 | 私の著書


『人間の偏見 動物の言い分』イースト・プレス、2018こちら

『都会の自然の話を聴--玉川上水のタヌキと動植物のつながり』 彩流社 、2017 こちら

『動物のくらし』玉川大学出版部, 2016 こちら

『タヌキ学入門-かちかち山から3.11まで』誠文堂新光社、2016 こちら

『シカ問題を考える』ヤマケイ新書, 山と渓谷社、2015 こちら

『となりの野生動物』ベレ出版, 2015 こちら

『たくさんのふしぎ 食べられて生きる草の話』福音館, 2015 こちら

『シカの脅威と森の未来―シカ柵による植生保全の有効性と限界』前迫ゆり・高槻成紀(編) 文一出版、2015 こちら

『唱歌「ふるさと」の生態学』2014、山と渓谷社 こちら

ホネホネ博物館(「このは」8号、骨特集)文一出版, 2014 こちら

「捕食者なき世界」ウィリアム・ソウルゼンバーグ著、野中香方子訳、高槻成紀解説 こちら

『動物を守りたい君へ』2013, 岩波ジュニア新書, 2013 こちら

『北に生きるシカたち』(復刻版)2013、丸善出版, 2013 こちら

『野生動物と共存できるか』2006、岩波ジュニア新書, 2016 こちら

これ以前は今後追加します。
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人間の偏見 動物の言い分 感想

2018-07-01 04:10:56 | 私の著作
いい本はいつ読んでも一定の満足を得られる。 だけど、こういうのを読みたいと思っていたタイミングでいい本に出会うことはなかなかなく、今回は稀有な体験で、満足度も高水準だった。 都市生活者が大半を占める現在において、動物のイメージは簡素化・貧困化の一途をたどり、よくわからないものに対する畏敬は鳴りを潜め、よくわからないからとにかく排除してしまえばいいという蛮行が常態化しつつある。 生きものに対する尊敬と愛情、地道な調査の積み重ねと科学的な論考。 我々は互いに関係し合っていることを再認識させてくれる良書。

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神様として崇められていたニホンオオカミは明治政府が施した教育改革により欧米の価値観が輸入され、次第に悪魔の象徴と見なされたことが絶滅に繋がった⁉我々が動物に対して抱いているステレオタイプなイメージの根源を歴史的・文化的な側面などから読み解きつつ、動物豆知識も豊富に紹介してくれる一冊。命に優劣を付け、人間を害する存在は徹底的な駆除の対象とする。実はこれ、無知や偏見が生んだ行いだとしたら?作物を荒らす害鳥であるスズメとも共存共栄の道を歩いたお百姓さん。無駄な殺生を控えるために必要なのは知識と日本人が歩んだ道。

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宮部みゆき
 本書を読んだ後、アニメ映画『ズートピア』に登場する動物キャラクターのうち、実物を見たことがあるもの、触ったことがあるものが何種類いるか数えてみたら、私の生活はまさに著者が書いているとおり「存在感があるのはペットだけ」の都市生活者のものだと身にしみてしまった。
 その外見や生態が情報として「知られる」動物たちは、ほとんどのヒトにとって実体ではなくイメージの存在だ。神話や伝説、ファンタジー小説のなかのキャラクター付けされた動物たちも、イメージの集合体である。そのイメージ=「想像と解釈」はどこから生まれてきたのだろう? パンダはなぜ人気者なのか。ヘビはなぜ気味が悪いのか。タヌキやキツネが「化かす」のはなぜか。
 様々なイメージは、ヒトと野生動物や家畜との関わり合いの歴史に根ざしている。ではヒトの未来には、また新たなイメージを生んだり、共有することができるほど豊かな動物たちとの関わりがあり得るだろうか。そんな関わりを維持してゆくにはどうしたらいいのだろう。ぜひ著者の考察に触れてみてください。(イースト・プレス、1700円)

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 高槻成紀『人間の偏見 動物の言い分 動物の「イメージ」を科学する』は、動物にまつわる言葉を取り上げ、その背景にある意味を考え、ヒトが動物に対してイメージを持つときのパターンを考え、動物を解説する。
 恐怖心や不快感が嫌われる動物を生む。例えば蛇。
 かわいらしい動物は好まれる。例えばパンダ。
 危険であり、気味が悪く、不潔な動物、あるいはそのようなレッテルを貼られた動物は嫌悪される。このことは室内にいる小動物への非寛容と、その結果としての徹底駆除の姿勢に典型的に見ることができる。動物のヒトとして難しい時代に入りつつあるという。
 DNAは不変であるが、それが自然に発露できなくなり、都市生活の質的変化は、動物の死を隠す。

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zisuke 2018/10/08

人間の都合や好みだけで動物を見てはいけない。蝿も蚊もGも、糞虫も大切な仲間です。

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知佳 2018/10/02
480. ⑴たくさんある動物にまつわる言葉 ⑵動物へのイメージはどこからきたのか? ⑶ペットとしての動物 ⑷家畜としての動物 ⑸代表的な野生動物 ⑹利用される「野生」動物 ⑺動物観の変遷 ⑻私たちは動物とどう向き合うか

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江楠 巻菜 2018/08/28
マムシは虫の中の虫。マトリはワシ。それにしても偏見がすぎるやろ…ヘビかわいいやん…黒目がちなこもいるし…。、つまりその偏見をどう無くすか?興味ない人にもわかってもらうには?答えは理解であり知識である。偏見に打ち勝つのは智。

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江楠 巻菜 08/31 01:44
ダニがいること≠有害であること。農家が獣害で困っていても、駆除がニュースになると困ってる実感がなくて動物=かわいいの認識の都市部の人からクレームが入って現場が混乱するって獣害対策の人も言ってた。

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江楠 巻菜
江楠 巻菜
正しくない理解が偏見なのだから偏見に打ち勝つのは正しい知、というのはただのトートロジーかも。でも座標にしたい。
2018/08/31 13:57

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遊々亭おさる 2018/07/01
神様として崇められていたニホンオオカミは明治政府が施した教育改革により欧米の価値観が輸入され、次第に悪魔の象徴と見なされたことが絶滅に繋がった⁉我々が動物に対して抱いているステレオタイプなイメージの根源を歴史的・文化的な側面などから読み解きつつ、動物豆知識も豊富に紹介してくれる一冊。命に優劣を付け、人間を害する存在は徹底的な駆除の対象とする。実はこれ、無知や偏見が生んだ行いだとしたら?作物を荒らす害鳥であるスズメとも共存共栄の道を歩いたお百姓さん。無駄な殺生を控えるために必要なのは知識と日本人が歩んだ道。

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toyoguchinobuyuki
いい本はいつ読んでも一定の満足を得られる。 だけど、こういうのを読みたいと思っていたタイミングでいい本に出会うことはなかなかなく、今回は稀有な体験で、満足度も高水準だった。 都市生活者が大半を占める現在において、動物のイメージは簡素化・貧困化の一途をたどり、よくわからないものに対する畏敬は鳴りを潜め、よくわからないからとにかく排除してしまえばいいという蛮行が常態化しつつある。 生きものに対する尊敬と愛情、地道な調査の積み重ねと科学的な論考。 我々は互いに関係し合っていることを再認識させてくれる良書。

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私は、ゆずというペット動物と暮らしているわけですが。
テレビで愛らしい動物の様子を放映していても、それがペットか野生動物か、はたまた家畜か。
そのようなことは意識して見ていなかったなぁ、と思いました。
パンダのシャンシャンは、かわいいけれど野生動物。
農家さんが大切に育てている野菜を横取りする、にくたらしい猿や猪、熊とおなじ。
鹿も野生動物だが、奈良では神様の使いとして保護される一方、ジビエブームの昨今食べられることも多い狩猟動物。
日本人の動物を見る目は、その生活史の中で、食料調達の変遷に従って形成され、その基盤となる生活が大きく変化した明治を境に、また変わってきたそうです。
猫飼いとしては、猫のイメージ変遷も知りたかったけど(そんな下心で読み始めたけど)、ぜんっぜん違いました、この本。(^0^;)
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