モンゴルのフスタイ国立公園では1960年代に野生状態で絶滅したタヒをヨーロッパの動物園から復帰させ、その後順調に回復している。ここにはアカシカも生息しているため、両種が高密度になると食物をめぐる競合の可能性があるため、食性の定性評価が必要である。そのため糞分析のより食性と生息地選択を調べた。タヒは主にイネ科を食べ、草原をよく利用したが、アカシカはイネ科と双子葉をよく食べ、森林をよく利用した。したがって現状では両種の生物学的違いにより競合関係にはないと考えた。今後の管理についての示唆を示し、総合的な保全が重要であることを考察した。
調査地の位置
タヒ(灰色)とアカシカ(黒)の糞における主要食物が占める占有率の季節変化
grass:イネ科、dicot:双子葉植物、culm:イネ科の茎:fiber:繊維
糞組成のDCA展開
タヒ(灰色)とアカシカ(黒)の糞中の植物片の大きさごとの重さの比較
タヒ(白)とアカシカ(黒)のフン中のタンパク質含有率
タヒ(白)とアカシカ(黒)の群落選択を指標する糞密度の比較
forest:森林, edge:林縁, grassland:草原
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